毎日の診療で、医師になったことを後悔する場面は少なくはない。その時に、医師という職業を選択したのは誤りであったと、思うことがある。
化学療法後の造血障害で退院が数日延期されることになり、「体中が痛くて動けない。食欲はないし、食事は取れない。」と、訴え続けていた患者が、感染症になる危険性が低い状態に回復したので、「退院できる状態になった」と告げた途端に、荷造りをし、颯爽と歩いて退院した。この患者の退院の翌日の朝礼で、院長が、しみじみと、4.6時中治癒の方策で頭を悩ましていることの虚しさをかみしめて、
好きなアランの格言、”選択の誤りを救うのは誠実である”と、
日々の職業に誠実に向かう。どんな患者に対しても、同じ土俵で対抗しない。職業に忠実=誠実な仕事を貫くとの言葉であった。