このごろは、随分自分勝手な患者に悩まされることが多くなった。先ごろ、常日頃わがままを主張している患者が、またまた問題を起こし、職員が困っている事件があった。
話を聞き、こんな問題は大学病院では婦長さんが対応出来る問題だろうと思いながら、放って置くわけにもいかず、パニック状態の職員に対して善処するから心配しなくて良いと言い職場に帰した。
この問題をどう処理すればよいか考えた私は、先ず脳神経科のDr Fに電話で相談した。彼の答は簡単明瞭であった。
『そんな患者にカンセリングしてもむだである。その患者は生まれつき性格が悪いのであり対処の方法はない。放って置くしかない。』
その週の朝礼でわたしの述べた話は次の通りであった。
『エゴイズムな人間に対抗するには、他の人にもエゴイズムが存在することを悟らせることである。
エゴイズムに迎合するな!
毅然として対せ。
歯には歯を
エゴイズムにはエゴイズムを。』
問題の多い発言であったかもしれないが、患者はその後おとなしくなり、間もなく無事軽快退院した。彼は某大学血液内科でAMLの治療を受け再発、予後絶対不良と宣告され当院に紹介された患者であった。