豊かさを求める 会長日誌

家づくりと言う事業を通じ、多くの人々の人間模様を綴ります。

息衝いている木材の目を見抜く大工の技…北斗市

2009-02-17 20:01:40 | ファース本部
樹木が育って行く環境は、木材となった時の特性に大きく影響してくるものです。
年輪の輪の数はその樹の年齢を表す事は誰もが知っています。その年輪の間隔を見る事で、樹の育った環境を読み取る事も可能です。丸い年輪の切り口で、南面に向かった方はその間隔が北面より広くなっています。またその年輪の間隔から、その樹の東西南北の状況を読み取る事も可能です。南に向いていても、南面に大きな樹木などで日陰を作っていれば、西か東から太陽の恵みを取る機能が樹には本能的に備わっているからです。

年輪の中心を持つ角材を「芯持ち材」と言いますが、その4面は全て「板目」と言う雲形状の模様となります。年輪の芯から外れた部位から取った木材は、裏表が「板目」となり、左右両面が「柾目」と言う年輪が平行に並んだ模様となります。
大工さんの匠の技とは、この年輪の目を読む事がとても大きな要素となります。
柾目と板目の模様など、部屋ごとに木の目の表し方も重要ですが、もっと大切な事は、その木材が仕口(木材の切り口)を組んだ時、強度の構造的な絡みがあるからです。

家づくりにおいては、土台、柱、梁、桁などと木材を上手に組み合わせて構造物に致しますが、木と木をホゾと言う特殊な仕口で組み込みます。釜継ぎと追っかけ継ぎ手などと様々な仕口種類がありますが、その木の目を読んで確実に絡まり易い継ぎ手とします。
木材はどんなに乾燥させても長い期間で更に乾燥収縮を致します。その収縮度合いが木の年輪、木の目などで大きく異なるからです。第10回ファース全国大会では、その継ぎ手をステージ上で組み上げる実演を行いました。

写真はその実演を行った富山市のファース工務店、北岡工務店の社長(左)とご子息が、大会前日に私の執務室を訪問してくれた際に撮ったものです。明治33年創業で北岡社長は4代目の大工棟梁社長で、既に5代目が控えている事になります。大会では、切り込んだ木材を、釘一本も使用せずに瞬時に組み込み、瞬時に解き解して見せて戴きました。

昨今ではプレカットと言うコンピューター制御の機械で切り込むため、大工さんの墨付け、切り込みと言う作業を見る機会が少なくなりました。大会に参加された大工さん達も、改めて日本伝統技術を再認識した様子でした。

大会終了の日曜日の夜から昨日まで猛吹雪でしたが今日は晴天になった北斗市です。
当方は全国大会の関係者や協力して戴いた方々へのお礼対応に…
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