断熱力を計算するには、断熱材の厚さ(メートル換算)÷断熱材の熱伝導率(λ)で熱抵抗値を算出し、その熱抵抗値の逆数が熱を逃がす量の熱伝導率です。
100㎜のグラスウールは約0.04の熱伝導率(U値)なので「0.1÷0.04=2.5」が熱抵抗値となりますが、その逆数を出すには1÷2.5=0.4、この0.4が逃げる熱量です。
外壁には断熱材の他に外壁材、内装材なども使用されており、それぞれに断熱力はありますが、およそ95%は断熱材が担っております。
私達が住宅の熱損失係数を計算する際は、この断熱材だけの断熱力を算出します。
後の細かい断熱要素は、プラスαのおまけみたいなモノです。
サッシ(写真)はエクセルシャノンの超高断熱サッシUA値0.8でファースの家の多くに採用されています。このUA値は、計算でなくサッシ仕様書にJIS規格で熱貫流率が明記されてきます。
我国の一般のアルミサッシで単板ガラスの熱伝導率(U値)は、6.5w/㎡・Kと先進国では、最低のレベルでしかありませんでした。
日本国内には約6000万戸の家がありますが、その80%を最低レベルのサッシが使用されておりました。昨今は断熱性能の説明義務化の影響で、断熱材やサッシ等も相当に断熱力を意識されるようになりました。
それでも施主の方からU値やQ値などを要請される場合は、まだまだ稀なケースです。
やはり工務店側からお施主様に気付いて貰う事が大切です。
しかしながら冒頭に記述した熱貫流率などの話をしたら、途端にひかれてしまいます。
素人の施主は、外観や内観、キチンセントや間取り、建具などと見た目の優美さにビジョンを描いているからです。そこを巧みに突くのがハウスメーカーの営業マンです。
眼に見えない熱貫流率などが関係する住み心地は、まさに住んでからでなければその意義が伝わらないのです。良い家は住んで初めて良さを分かち合えるのです。
「私に騙されてください!」と進言することです。
「必ず騙されて良かったと云わせてみます」とも付け加えてください。
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