読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

お腹召しませ

2020年04月07日 18時27分27秒 | ■読む
浅田次郎著、中公文庫刊幕末を舞台とした六編の短編集です。が、語り手が幼少時に、家族離散の末に、明治30年生まれの祖父に面倒を見られながら、夜ごとの祖父の昔語りを回想しつつ、物語を書いたとの設定だ。巧みな導入から、結末の後に加えた「作者」の語りが秀逸で、構成と展開が凝っている。幕末故の時代背景を生かした作品だが、数百年に亘ってがんじがらめに束縛された侍の生き方を拒否して、人間らしい生き方に跳躍する主 . . . 本文を読む
コメント