読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

手づくり文房具

2009年10月24日 07時52分11秒 | ■読む
宇田川一美著、池田書店刊
現代の日本文化の、かなり大きな領域を女性が担っていると思います。かつての清少納言などのように、中国からの輸入文化ではなく、日本に独自の文化を創り出したことと似た現象が、今の日本に生じているのではないか。東南アジアで日本の芸能人が人気なのは、女性アイドルの独特の雰囲気にも大きな理由があるのではないか。
さて本書は、雑貨デザイナー、イラストレーターの肩書きを持つ著者が、気に入ってためておいた、切手、タグ、封筒など、多彩なものを利用して、実に可愛らしい文房具を作る方法を伝授しています。
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URL => http://udagawafile.blog105.fc2.com/
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私が仕事でお会いしたある大学講師は公共交通機関の利用促進を研究領域としていますが、彼女の講演会で聞いたところでは、「乗ることが格好良い、と思ってもらえないと駄目です!」とのこと。確かに、地球環境問題も、一部のオタクっぽい人達が騒いでいる間は、一般の人に広がりが見られませんでしたが、レオナルド・デカプリオがプリウスを乗ったころから、雰囲気が大きく変わりました。さて、件の講師は、公共交通機関の理想促進に使う媒体(たとえば時刻表など)が乗る停留所の時間が分かるように使いやすくするのは当然として、見やすく格好良いものでなければならない、と強く主張し、自らがコーディネートしたものは、驚く程に魅力的な作品でした。しかも、非常に凝った作りでした。一切妥協の感じられない完成度でした。(アップルの製品が格好良いのは、スティーブ・ジョブズの)ちなみに、そのデザイナーも女性でした。妥協のある所からは、真に優れた作品は生まれないのかもしれないと反省しきりでした。
さて、本書は、女性に特有な、かわいいものへの愛着を基礎とした美の世界を垣間見せてくれました。
評価は5です。

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