冷泉彰彦著、日経プレミアムシリーズ刊
アメリカの民主党と共和党の違いとそれぞれの思想信条の源泉が知りたいと思います。
以前にも、関連すると思われる書籍を読みましたが、その内容は、政界情勢とその影響による国内の諸情勢の変化に対応したダイナミックな政策の変遷を詳述したもので、かなりミクロな視点での記述でした。
そのため、もっとざっくりとした両党の本質を理解したいと思い、本書を手に取りました。
本書は2008年出版で、その時点から数年以前のアメリカ国内の政治状況を述べることから始まりますが、この辺は退屈な内容で、心配になりました。
しかし、第2章以降から、私が期待していた、両党の本質的な立脚点に議論が進んでいきます。
例えば、銃規制と中絶、更に環境問題を巡る両党の対立が何故生じるのか、という本質的な問題に進んでいきます。
著者はアメリカに居住し、国内の様々な情勢に直に触れつつ、問題意識を持って各種の報道や事件に接していると察せられます。
述べられた内容には、その様な肌感覚に裏打ちされた私論が含まれますが、十分に説得力があります。
興味のある方にお勧めしたい著作です。
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○冷泉彰彦
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評価は4です。
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