竹山博英著、朝日選書刊
暴力的な犯罪組織は、どこの国にあるらしい。特にシチリアに由来するマフィアは名高い。あとがきによれば、イタリア文学者である著者が、「マフィアを主題にした小説を何冊か読んで、その内容が十分に理解出来なかったのが、研究を始めるきっかけになった」そうだ。本書を読めば、マフィアなどの暴力的な犯罪組織が、シチリアでなぜ生まれたのかが分る。そして、なぜアメリカへマフィアが写っていったのかも。
現在の日本では、暴対法によって表だった暴力団の動きが大分減ったが、水面下で活動していると言われている。オレオレ詐欺などの特殊詐欺や麻薬など、その片鱗が見え隠れしている。本書を読むと、人の世に組織的な犯罪が生じる機序が理解出来る。そして、そのような犯罪が組織的に行われると、政治や経済に食い込み、社会の隅々に見えない根を張るようだ。多分、普通の人が日常目にしない所に、そのような諸悪の影響が及んでいるのではなか。そう感じる。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/竹山博英
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