読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

日本縦断 徒歩の旅-65歳の挑戦-

2009年10月20日 19時09分02秒 | ■読む
石川文洋著、岩波新書刊
著者は1938年(昭和14年)に沖縄で生まれ、5歳で大阪府に転居し、その後も東京都、千葉県と転居し、苦学して高校を卒業後、カメラマンとして活躍したとのこと。いくつか賞も受賞しているようです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/石川文洋
     http://www6.plala.or.jp/zassoan/
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著者の青春時代は、戦後の復興期から安保闘争やベトナム戦争を経た時期で、いわば戦後日本の激動期と重なります。そのため、時代の雰囲気を色濃く吸収し、戦後日本を体現した問題意識を持って社会生活を送ってきたようです。しかも、マスコミ界に在籍したので、深い問題意識を持ち続けているようです。
さて、本書は、定年後、日本列島を北から南まで歩いてみようという思い付きを実行した記録です。作品中、○月○日[○○○~○○○ ○○km]という見出しで、日付と出発地、到着地、歩行距離を表し、その行程で体験したことや感じたことを短く記録しています。
走行距離3300km、5ヶ月間、撮影枚数12000、体重が10kg以上減った、血液検査の各数値が健康な範囲になった、などなど。
以前、四国の巡礼のルポを読みましたが、本書は、その何倍もの距離を歩き通したのですから立派です。そして、やってみなければ分からないことを実に細かく記録しています。たとえば、宿の手配、トイレの確保、雨天対策、靴や持ち物の準備など。そして何よりも、道路が車優先でできているため、歩行者にとって非常に危険であること。歩道がない、あっても草がはびこっていて歩けない。トンネルに歩道がない、などなど。そして、歩行による旅人にとってもコンビニは心強い味方であるとのことでした。素晴らしい旅の記録である一方、面白味には欠け、思想性が強く現れているところがあって、幾分馴染みにくい内容でした。
評価は3です。

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