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横山秀夫著、文春文庫刊
横山さんのクライマーズ・ハイという作品にすっかり「はまり」映画も見ましたが、久し振りに横山さんの読みました。
ある県警本部の人事部門、監察部門、鑑識部門、議会対策部門の4つの組織に関する短編集です。暗いトーンですが、(私の経験からすれば)現実の仕事はほぼ暗いことが多いのだから説得力がある。事件を解決するのではなく、内部の不祥事などの問題を解決する管理部門の物語という、異例の警察小説で驚きました。
謎解きの過程を、主人公の背後ろから肩越しに覗き込んで、一緒に行動しているように感じました。また、登場人物の存在感がリアルでした。そして、生きているが故の葛藤や人との様々な縁が、出来事の背景となっていて、物語に深い陰影を与えています。
表題作の「陰の季節」は、この短編集の性格を良く表しています。ずしりと腹の底に響く物語で深い感慨を残しますが不快では無い。大人の作品です。
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○横山秀夫
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評価は5です。
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