久野愛著、岩波新書刊
食料を購入するようなった初めの頃は、品物を良く見ないで買っていました。
せいぜい大きさを気にする程度でした。
しかし、野菜や果物は傷がない方が良いし食べ頃の色をした方が良い物もある、魚は目を見て新鮮さを判断して買うと良いなどと知りました。
一方で、現在の生産、流通、販売形態からするとやむを得ない面もありますが、肉の加工食品や練り物は食品添加物が多く、健康に良くないということを聞きます。
本書は、大量生産、大量消費の必要性と、それが普及した結果、訴求力を強める必要から、果物などの食品が本来持つ色合いを、様々な事情から強調したり修正したりして、いつの間にか画一的なイメージを確立するに至った経緯を説明し、その社会的、経済的、政治的意味合いと相互作用を示しています。
一部に技術的な解説はあるものの、大方は「色が歪められた」との視点から解説していて、幾分「思想的」な傾向が強い様に思います。
事実は事実として記述すれば良いとも思いますが、下記リンクによれば、著者は「特に、経営史、文化史、技術史、ジェンダー研究を横断したアプローチから、消費主義社会の拡大でいかに社会規範や文化的価値観が変化したのかを研究してきました」とのことで、著者のスタイルのようです。
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○久野愛
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