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阿辻哲次著、PHP新書刊
第1章「文字と古代国家」では、古代文明で文字が考え出され、その用途と筆記の方法が、第2章「国家と行政と文字」では、中国での文字の成立と用途、記録素材の変遷を、第3章「規範の確立」では、筆記する素材である紙の登場と、ばらばらだった漢字の統一、更に漢字教育と印刷の登場を、第4章「東アジアの文字事情」では漢字文化圏と言われる国々への漢字の伝播と日本での漢字の受容と中国との関係における漢字の役割、終章「二十一世紀と漢字」では、中国、韓国、日本でのそれぞれの漢字を巡る動きを振り返りつつ、問題点を明らかにし、今後の課題を提示しています。
33年間に亘り、ワープロ専用機やパソコンで文書を作成する途上で、文字コードについての理解が必要でした。更に、ウインドウズOSで扱える文字数が少しずつ変わり、文字数が増えてきました。現在では、全世界の主要な言語を扱えるようにコード表を拡張したそうですが、当然限りがあるので、収録できる文字数に制限がある状況は変わっていません。また、現在も漢字を利用する国(本書によれば、中国、台湾、韓国、日本だそうです)の、本来同一の漢字が、それぞれ字体が異なり意味も違うので、実用上も問題が生じているようです。
本書は、漢字と関連する事柄を網羅的かつ整然と整理して述べており、素晴らしい著作と思います。漢字への理解が深まりました。
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○阿辻哲次
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評価は5です。
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