読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

小泉武夫の世にも不思議な食の世界

2009年07月30日 06時41分14秒 | ■読む
小泉武夫著、日本経済新聞社刊。
著者が日本国内外で体験した様々な食の有様を、独特の語り口で披露しています。椎名さんも「全日本食えば食える図鑑」などの著書で、椎名ワールドを展開していて非常に面白いのでうすが、小泉さんは食に関する膨大なバックグラウンドがあるので、ふざけた(洒脱な?)語り口であってもぐいぐいと引き込まれていってしまう魅力があります。見た目や食感、味に独特の表現があって楽しい。こうした個性的な文章が鼻につくこともありますが、少年のようなおおらかさを感じる、その好奇心と食欲にただただ感心するばかりです。また、他文化に対する偏見が全くないことにも好感が持てます。恐らく、「食」は気候風土や文化に最も大きな影響を受けるので、偏見が発露しやすい分野ではないかと思います。また、好奇心が薄い人は、珍しい食物を敬遠してしまうでしょう。小泉さんは、そうした呪縛から全く自由です。自称「味覚人飛行物体」、「ドクター・エビスキー」、「ムサボリビッチ・カニスキー」など、誠に楽しい別称を持っているそうで、その少年のような好奇心と食欲で一連の楽しい作品を書いています。
評価は4です。

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