佐藤正明著、文春文庫
大分前に、ホンダの創業者である本田宗一郎と藤沢武夫を描いたテレビドラマを見たことがあります。その時に藤沢武夫の役を演じた俳優が非常に良かった。名前をどうしても思い出せませんが、本書で描かれている「六本木」こと藤沢の自称「あたし」が、ドラマでも使われていて特に印象に残っています。
さて本作は、黎明期から創業者が物故した後までのホンダの歴史を描いたドキュメントです。長大な作品で多くの登場人物が出て来ますが、主軸になる人々の交わりと生き方が、精密に描かれており圧巻です。特に重要な出来事は、類書に見ない程のリアルな描写に圧倒されました。想像で再現されたのではなく、多くの関係者の証言から”事実”を再構成しているように感じました。
組織の盛衰は、長期的に見れば必然的な流れを感じますが、短期的な視点からすると、偶然に左右されるように見えるものだと思います。実際は、その時々のキーマンたちの決断や行動が組織の行方を左右するため、組織を支える人こそが、組織そのものであると言えます。本書は、その”人”に焦点を合わせ、丹念な取材により、見事な作品世界を作り上げています。読了に時間を費やしましたが、素晴らしい作品でした。
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URL => http://satou-seimei.jp/wordpress/?page_id=2
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評価は5です。
大分前に、ホンダの創業者である本田宗一郎と藤沢武夫を描いたテレビドラマを見たことがあります。その時に藤沢武夫の役を演じた俳優が非常に良かった。名前をどうしても思い出せませんが、本書で描かれている「六本木」こと藤沢の自称「あたし」が、ドラマでも使われていて特に印象に残っています。
さて本作は、黎明期から創業者が物故した後までのホンダの歴史を描いたドキュメントです。長大な作品で多くの登場人物が出て来ますが、主軸になる人々の交わりと生き方が、精密に描かれており圧巻です。特に重要な出来事は、類書に見ない程のリアルな描写に圧倒されました。想像で再現されたのではなく、多くの関係者の証言から”事実”を再構成しているように感じました。
組織の盛衰は、長期的に見れば必然的な流れを感じますが、短期的な視点からすると、偶然に左右されるように見えるものだと思います。実際は、その時々のキーマンたちの決断や行動が組織の行方を左右するため、組織を支える人こそが、組織そのものであると言えます。本書は、その”人”に焦点を合わせ、丹念な取材により、見事な作品世界を作り上げています。読了に時間を費やしましたが、素晴らしい作品でした。
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