読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

梨の花

2009年02月15日 08時45分20秒 | ■聴く
中野重治著、新潮社発行。
このカセットを聞くのは二度目でした。田舎に育った少年の瑞々しい精神世界が丹念に描かれており、大変に美しい作品です。両親の不在によって祖父母と共に幼少時代を過ごし、やがて旧制中学に進学する年頃の少年の体験が淡々と、断片的に描かれているのですが、そのエピソードの一つ一つが、少年や周囲の人々の心や様子を忍ばせます。幼い日の自分の姿を思い返しながら鑑賞しました。たとえば、作中出てくる馬のお腹から背中にかけて「ぴくっ」と動く風景は、私自身の遙か昔の想い出の中にもありました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/中野重治
     http://ja.wikipedia.org/wiki/梨の花
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また、朗読の宇野重吉さんが素晴らしい。木訥とした語り口に深い味わいがあります。聞いていて疲れません。正に熟達の技といった感じです。下記のURLでも記されていますが、俳優の寺尾聰さんはご子息です。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/宇野重吉
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評価は5です。

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