大沢在昌著、双葉社刊
ケン・ヨヨギが主人公のシリーズの一作目です。この間読んだ「影絵の騎士」は、このシリーズの2作目です。大沢さんの作品はキャラが立っていて、謎解きの進め方が巧みです。本作も同様で、分かってみれば「そうだよね!」なのですが、読んでいる途中は、正しく闇の中を主人公とともに手探りで歩いているような感じです。
本作は、1993年に発刊しており、2作目は2007年発刊なので、14年の隔たりがあります。それでも、主人公のキャラクターを保持しつつ、舞台設定を生かして創作するのだから、たいしたものだと感じます。特に本作のように、日本における外国人労働者の問題を前提とした近未来の日本を想定した舞台設定は、慎重にプロットを決めないと齟齬を来す恐れがあると思います。まぁ、プロなので当然なのでしょうけれど。
本作を読んで感じたのは、作者の立ち位置でした。非常にリベラルな考え方を持っているのだと思います。弱者に対する愛情を感じました。作品に登場する悪役も、邪悪ではあるけれども、それぞれが置かれた立場や生きてきた筋道によって、そうした人間になったのだろうと感じさせました。人に対する希望を持っているのだと思います。
評価は4です。
ケン・ヨヨギが主人公のシリーズの一作目です。この間読んだ「影絵の騎士」は、このシリーズの2作目です。大沢さんの作品はキャラが立っていて、謎解きの進め方が巧みです。本作も同様で、分かってみれば「そうだよね!」なのですが、読んでいる途中は、正しく闇の中を主人公とともに手探りで歩いているような感じです。
本作は、1993年に発刊しており、2作目は2007年発刊なので、14年の隔たりがあります。それでも、主人公のキャラクターを保持しつつ、舞台設定を生かして創作するのだから、たいしたものだと感じます。特に本作のように、日本における外国人労働者の問題を前提とした近未来の日本を想定した舞台設定は、慎重にプロットを決めないと齟齬を来す恐れがあると思います。まぁ、プロなので当然なのでしょうけれど。
本作を読んで感じたのは、作者の立ち位置でした。非常にリベラルな考え方を持っているのだと思います。弱者に対する愛情を感じました。作品に登場する悪役も、邪悪ではあるけれども、それぞれが置かれた立場や生きてきた筋道によって、そうした人間になったのだろうと感じさせました。人に対する希望を持っているのだと思います。
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