松本晃一著、ダイヤモンド社刊
アメリカのアマゾンが、書籍販売を核とした日本法人を設立し事業を始めるに当たって、現地の日本で採用された初期の職員の一人として2年余の期間を過ごした著者が、当時を振り返って、初体験ばかりで困難な仕事に打ち込んだ経緯の概略を紹介した書籍です。
アマゾンの異質な企業文化に対する驚きと発見に満ちたスリリング体験が臨場感豊かに描かれています。
今までにもアマゾン関係の書籍を読んできましたが、本書は、システム構築を通じて触れた、比較的初期のアマゾンの文化を、様々な事例を通じて理解できます。
当時、アメリカから応援に来たプログラマーなどとの交流や人柄なども織り交ぜて語られていますが、それらの全ての背後にある、創業者のジェフ・ベゾスの考え方や価値観が感じられました。
著者は、その未知との遭遇に強烈な印象を持ち敬意を感じたようです。
著者は、私とほぼ同じ年齢なので、アマゾンの日本法人が立ち上がった頃の日本社会やネット事情を記憶しています。
当時は、既に社会の第一線で、一人に一台のコンピュータが普及しつつありましたが、一般には、使いこなしている人は僅かであったように思います。
個人負担で購入して書籍で勉強したので時間とお金を結構注ぎ込みましたが、おかげで大量のデータ処理が可能になり、文書の作成も効率的に出来ました。
この程度が、普通の日本人の状況と思います。
アメリカでは、実世界でリスクを取って起業した人々がおり、その中の極僅かな人々だけが成功した。
その激烈な生存競争を生き延びたのは、独自の経営哲学を持ち激烈な進化を遂げるコンピュータ関連技術を運営の基礎に据えことで、革新的な事業を生み出すことを可能にした企業文化があったことが基本であったと思います。
コンパクトで平易な文章ながら、様々な事を想起させてくれた良書でした。
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○松本晃一 ○Amazon.com, Inc ○Amazon.co.jp
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評価は4です。
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