読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

天平の阿修羅再び

2011年06月26日 18時57分56秒 | ■読む
関橋眞理編著、日本工業新聞社刊
仏像の修復の第一人者である松永忠興さんの仕事と人となりに焦点を合わせた書籍です。絵が好きで東京芸術大学に進みますが、縁あって仏像の修復に携わるようになったとのこと。多くの仕事の中でも、印象深くエポックとなったのが、興福寺の有名な阿修羅像の模造だそうです。形態の復元も困難でしたが、それまでの考え方に逆らい、作成時の色彩を施した姿には驚かされました。朱色です。この彩色は、絵画の修復を専門とするスタッフが当たったそうですが、ルーペで元像をくまなく観察し、忠実に再現したとのことです。私達が、今日見る仏像などは、すっかり色が抜けてしまっていますが、本来は極彩色に塗ってあったとのことです。その顔料は、昔と同じものが使われているそうで、作成当時は乏しかった原色の色遣いは、さぞかし人々の驚異の目を引いたことかと思います。
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URL => http://www.tokyogeidai-hozon.com/ob/interview2005/matunaga/matunaga03.html
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復元は様々な人々のチームワークにより行われているそうです。昔も同様に仏像の製作と彩色は別な人が行っていたそうですが、なにせ平均寿命が短い時代であったので、かの有名な快慶などの仏師は20代で立派な深い仕事をしていたのだと、現代の関係者は感じているそうです。
評価は4です。

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