2012年に日本公開されたオーストラリア映画です。絶滅危惧種と思しきタスマニアタイガーを探しだし、そのDNAサンプルの採取と個体の始末を依頼を軍事バイオ企業から受けた主人公は、学者と偽りタスマニアに赴きます。現地の家庭に寄寓し、フィールドワークを装い、タスマニアタイガーを探しに出掛けます。
現地では、林業で生計を立てている人々と環境保護主義者の軋轢があり、主人公が寄寓した家庭は、環境保護主義者の夫が失踪した跡で、残された妻と二人の子供が住んでいます。何度も現地に赴き帰宅する内に、その親子との距離が縮まり、地元の人々との軋轢も味わいます。
こうした進展の中で、孤独を好む凄腕のハンターである主人公の心境に変化が来します。そして・・・。
主人公を演じたウィレム・デフォーは、多くの映画で異彩を放つ脇役として見掛けますが、強い印象的を与える俳優でした。本作は、静かで美しい画面と、ひたひたと寄せる波のような、静謐なカットの積み重ねが生み出す美しさに合致した、主人公の知的で微妙な内面を的確に表現していて素晴らしい。子役の演技にも驚き増しました。
大自然の美しさを描くと共に、その中でハントする主人公の行動を綿密に映し出す、手間暇の掛かった演出も見事です。今時のアクション映画とはかけ離れた静謐なトーンが印象的でした。
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○ハンター ○ウィレム・デフォー
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評価は4です。
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〇カメラまかせ 成り行きまかせ 〇カメラまかせ 成り行きまかせその2
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