三輪裕範著、中公新書刊
アメリカを代表する高級日刊紙と評価されている「ニューヨーク・タイムズ」を、様々な観点から分析しています。
明らかにリベラル色の新聞ですが、「編集委員会の支配下にない外部の人物が、ある新聞記事に対して同じ新聞内で意見や見解(反論や異論)を述べる欄(Op-ed (opposite the editorial page / opposite editorial]、オプ・エド))」を設け、読者に様々な議論があることを明示している点を著者は指摘し、相対的に日本の新聞各社の底が浅い、偏った報道のあり方と比較しています。
また、アメリカ国内では国際報道に関心の薄い状況であることから、他紙が国際報道に割く紙面が少ないのに対して、ニューヨーク・タイムズが例外的に充実した紙面を提供しているとのこと。
更に、同紙が辿った歴史的経緯と、アメリカ国内のユダヤ人への反感と偏見故に、ユダヤ人が社主となってからの苦衷を紹介しています。
一方、下記リンクによれば、同紙は、日本に対する偏見に満ちた報道や反日的な勢力に共感を寄せる報道が目に付きます。
一定程度、外部からの影響を受けていることも感じます。
日本の特定の新聞社は、政治的中立を偽装しつつ、世論形成の主役の座にあるとの自覚故の傲慢さを持ち、無責任な行動を続けています。
アメリカにあっては、各新聞が政治的な発言をすることが容認されており、その前提に立って、記事に対する国内での批判や検証が行われているようです。
著者は、ニューヨーク・タイムズの例を挙げて、日本の新聞の改善を強く望んでいます。
一方で、テレビのワイドショーが、視聴率稼ぎの為かと思われる、コロナ騒動での無責任な「煽り運転」振りが、より鮮明になりました。
日本人の民度は相対的に高いと思いますが、マスコミの質は、商売故に低きに流れる性質を孕んでいるので、書籍やネットなどの情報を参照しつつ検証する必要があると反省しました。
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○三輪裕範 ○ニューヨーク・タイムズ
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評価は4です。
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