硫黄島 栗林忠通大将の教訓

小室直樹著、ワック刊
小室さんの著作は面白い。権威張っておらず平易で分かり易い。本書は、栗林大将が成し遂げた硫黄島での激闘の歴史的な意味を繰り返し語っており、戦後の日本人の有り様を痛罵しています。クリント・イーストウッド監督が、硫黄島の戦いを二編作ったため、私も硫黄島の戦いを知ることが出来ましたが、その映画は、日本サイドの作品では栗林大将の生き方が中心に描かれており、アメリカサイドでは、硫黄島の戦いが当時のアメリカの世論に与えた影響を示しています。しかし、歴史的な意味を示していませんでした。そのせいか、日本側の作品に出演した若手の俳優が、インタビューで、誠に愚かで浅簿な発言をしていました。なぜ、愚かしい戦争をしてしまったのか、という問いが深まらない、戦後の日本の在り方を示しているように感じました、小室さんは、そのような日本人の在り方に怒りを覚えておられるようです。
-----------------------------------------------
ＵＲＬ => http://ja.wikipedia.org/wiki/栗林忠道
-----------------------------------------------
評価は４です。