読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

ひかりごけ

2009年04月01日 20時35分17秒 | ■聴く
武田泰淳(たいじゅん)作、新潮CD発行
武田泰淳さんの初めての作品です。本作は戦時中の食人事件を元にした小説です。事件の裁判記録も全て失われており、まったくの創作です。しかし、下記のURLによれば、モデルとなった人物は、小説の内容が本当であるかのように世間から受け止められ、苦難の人生を歩んだとのことです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/ひかりごけ事件
     http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/hikarigoke.htm
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しかし、武田さんが問題としたのは、食人を行った船長が、激しく糾弾する検事に向かって発言する次のような趣旨の言葉にあります。
「あなたは人の肉を食べたことがありますか。または人に食べられて事がありますか。」
自身の極刑を望みながらも、加害者あるいは被害者と同じ境遇に遭った事がなければ、本当のことは分からないはずだ、との主張です。日常のすぐそばにある様々な犯罪はともかくも、特殊な状況で行った食人のような事件では、人が人を裁くことが出来るのか、という主張であるようです。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/武田泰淳
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評価は4です。

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