渋谷博史、根岸毅宏、木下武徳編著、学文社刊
日本の社会保障を構成する主な要素である年金、医療保険、介護保険、生活保護、子育て支援政策について、その制度の趣旨、概要、現状、課題などを非常に分かり易く解説しています。
特に参考になったのは、戦後日本の高度経済成長により、人と富が偏在し、地方が疲弊すると共に、地域の社会構造が変質したため、地域を支える機能を発揮したのが、「土建国家」であり「食管制度」であったこと。しかし、両者が日本経済の疲弊と共に葬られ、現在は、年金、老人保険制度、介護保険などの社会保障の機能により、都市部の富が地方に再配分されていることでした。
今日の日本は、グローバリゼーションの状況下で、世界的な競争環境に置かれており、しかも、世界に類を見ない急速な高齢化と少子化の状況下にあって、国家が崩壊しないよう財政運営に努めた上で、限られた財源を公平・公正に再配分するための新たな仕組みを構築しなければならず、そのためには、現状を正しく理解しなければならないと思います。
生活者として世界を捉えることは大変重要ですが、その視点の総和が、社会の崩壊を招きがちであることは確かです。先に3.11で日本人がうっすらと自覚した日本人の美意識が、これからの厳しい数十年間を乗り越える基礎となるのでは無いかと思います。本書は、社会保障の現状と意味を理解するのに打って付けの1冊でした。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/渋谷博史
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評価は5です。
日本の社会保障を構成する主な要素である年金、医療保険、介護保険、生活保護、子育て支援政策について、その制度の趣旨、概要、現状、課題などを非常に分かり易く解説しています。
特に参考になったのは、戦後日本の高度経済成長により、人と富が偏在し、地方が疲弊すると共に、地域の社会構造が変質したため、地域を支える機能を発揮したのが、「土建国家」であり「食管制度」であったこと。しかし、両者が日本経済の疲弊と共に葬られ、現在は、年金、老人保険制度、介護保険などの社会保障の機能により、都市部の富が地方に再配分されていることでした。
今日の日本は、グローバリゼーションの状況下で、世界的な競争環境に置かれており、しかも、世界に類を見ない急速な高齢化と少子化の状況下にあって、国家が崩壊しないよう財政運営に努めた上で、限られた財源を公平・公正に再配分するための新たな仕組みを構築しなければならず、そのためには、現状を正しく理解しなければならないと思います。
生活者として世界を捉えることは大変重要ですが、その視点の総和が、社会の崩壊を招きがちであることは確かです。先に3.11で日本人がうっすらと自覚した日本人の美意識が、これからの厳しい数十年間を乗り越える基礎となるのでは無いかと思います。本書は、社会保障の現状と意味を理解するのに打って付けの1冊でした。
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