吉川昌之介著、中公新書刊
戦後、ペニシリンの発見と製造で、死の病と恐れられた結核から多くの人が救われたそうです。
一般的に抗生物質と呼ばれる、この「魔法の弾丸(抗菌剤)」は、その後も多くの製品が開発されましたが、次々と、耐性を持つ細菌が発生し、今日では、複数の抗菌剤に耐性を持つ「多剤耐性菌」が増えているとのことです。
本書は、細菌の発見から研究の進展の過程を概観し、細菌が生体へ様々な方法で侵入するメカニズムと発症過程などを解説した後に、抗菌剤の作用メカニズムを解説しています。
更に、耐性菌がどのような方法で抗菌剤に対抗しているのかを述べています。
平易に解説していて丁寧に読めば理解できますが、様々なパターンがあって、専門用語が多い為、理解するのが少し面倒です。
しかし、耐性を得る細菌の発生の過程を理解する為に必要で、それを理解出来る程度に読んでも差し支えありませんでした。
リンク2つ目に耐性菌について述べていますが、著者は、「魔法の弾丸」が使えなくなることによる影響を恐れると同時に、本書が出版された1994年当時、医師でさえ十分な関心と理解を持っていない事に危惧を抱き、本書を執筆したとのことです。
昨今のコロナ騒動で、ウイルスと細菌の違いがあっても、感染症の予防が如何に大切かを実感しました。
その点、本書で専門的な知識の一端を知ったことにより、日常生活で回避できることが多いことにも気付きました。
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○細菌 ○耐性菌
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評価は4です。
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