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群ようこ著、文藝春秋刊
群さんのエッセイを初めて読んだのは、確か、小説新潮に連載されていた「じじばばのるつぼ」でした。
世に跋扈するジジとババの奇行、傍若無人な振る舞いなどを糾弾する口調の目撃談。
過激なトーンにのけぞりましたが、自らを省みる好機となりました。(1、2該当例があったので・・・)
本書は著者が還暦を迎えた時分に執筆されたエッセイとのことで、内容は加齢による身体の異変、不調の諸様相です。
群さんと同じ年齢のせいか、くすりと笑いながらも身につまされてしまいました。
「生者必滅」、「奢れる者久しからず」の理の通り、加齢によって遅かれ早かれ、身体の衰えはやって来る。来るなと言ってもやって来る。
私は、数年前に大病を得てから、生きていることだけでも儲けものと理解し、「温存」に努めています。
群さんの場合は、健康的な食生活と体質の為か、健康体の持ち主のようです。
それでも、思い掛けず足の小指を家具の角にぶつけたりして、そんな目にあう自分に納得いかず、自分に対して怒りを覚えるとのこと。
確かに・・・、ある。
身近な友人や世間の人々を観察しつつ、ご自分が経験したことや考えたことを確かめ穏便な結末に至る過程は、私と同じような人が居ることを知り、へらへら読めて、精神を安らかにする効果が抜群でした。
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○群ようこ
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