読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

レンズの知識と使い方

2017年06月01日 14時34分41秒 | ■読む
林一男著、玄光社刊
本書は昭和27年(1952年)8月に出版された書籍です。カメラのレンズを主に解説していますが、実に分かり易く、今まで分からなかったことが本書で理解出来ました。例えば、集合写真を撮る際に、ピントが合った地点から前よりも後ろの方が被写界深度が深い理由、そもそもピントが合った場所以外はぼけるはずなのに一定の被写界深度が生じるのは何故か、人間の視覚は緑の波長帯を他よりもより鋭敏に感受すること。(このために、今日の撮像素子のカラーフィルターでは赤と青に対して緑が多く配分されていると理解しました。)あおりレンズの仕組み。
参考図はすべて手書きですが、大変に分かり易い。(学生時代にロットリングで図を起こしたことを思い出しました。)文体にも全く違和感がありません。当時は大判、中判カメラが現役で幅をきかせていた時代ながら、ライカが日の出の勢いで、日本のカメラメーカーが世界に進出し始めた頃のようです。そうであっても、光を曲げて所定の場所に正確に画像を描くというカメラの本質的な仕組みと機能は変わらない。変わったのは、フィルムが撮像素子に置き変わり、レンズの設計にコンピュータの強力な演算能力を使用できるようになったことでしょうか。65年前の書籍がこんなにも参考になったと驚きです。しかも、いまだにネットで中古本が販売されていました。
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URL => https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%AD%98%E3%81%A8%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9-1952%E5%B9%B4-%E6%9E%97-%E4%B8%80%E7%94%B7/dp/B000JBCVJI/ref=sr_1_6?s=books&ie=UTF8&qid=1485346702&sr=1-6
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評価は5です。
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=> カメラまかせ 成り行きまかせ
=> カメラまかせ 成り行きまかせ その2

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