知人でパウエルの笛を持っている人がいました。
村松の工場へ連れて行った時に、工場の人がその笛を見て、呆れ果てて、ちょっと直してあげましょうかって親切に言ってくれたんですけど、彼は「私はこの壊れ具合がちょうどいいのですよ。完全な楽器には出ない表現ができる」なんて澄まして断ってました。
車もそうですね、、、以前乗っていたマセラティ(って、マセラッティ乗りはこんな表記はしないんですけど) ギブリの最終モデルのマニュアルミッションって言う日本では希少種だったんですけど、あれを日本の車のメーカーに持って行ったら、どこでも不合格の判子を押されてしまうかもしれないですね。ほんと、乗っていて満身傷、病気だらけの車でしたから。でも、ある一瞬、4000レブくらいで、アクセルをちょっと吹かしたりした時、ものすごく自分の納得のいく動きをするんですよね。あの感覚が忘れられなくって、どうしても手放せなかった。結局、車検を通すのに必要な整備をするのに新車の(国産)フルサイズの車と同じくらいかかると言われて、諦めて、軽自動車の下取りにしちゃったんですよね。まあ、その落差も私らしいっチャ私らしいって自覚はありますけど。
村松にはもう知っている人はいなくなっちゃったでしょうし、ヤマハだって同じだけど、車にしても、日本のものって凄く優等生。どこをとっても問題ないレベルなんですよね。
それはそれで、凄いこと。日本の技術力の誇るべき成果ですけどね、、、
写真は、スタンウェイのフルコンサート。これまた弟の発表会の徒然に撮ったもののいちまいですけど、これもある意味、優等生ですよね。
昨日、テレビでベーゼンドルファーを弾いているのが放送されていたけど、私にはベーゼンドルファーの音の方が好きなんですし、スタンウェイよりもドイツのシュイタインウェヒの方がよかったって思うこともあるんですけど、、、
どうも、優等生の前に立つと、劣等感が湧くのかな、、、、
劣等性の僻みなのでしょうかね。
でも、欠点ばかりなのに、一つだけ自分の胸に触れる、もの凄く光る点があるというのもまた、私には、いいな~って思えるのですよ。だから、あの頃、車について書いていたものは「ファンム・ファタール」のカテゴリーを作っておりましたけど、不満だらけ。でも、それなら売っぱらっちゃえばいいのに、ぶつぶつ文句を言いながら、持っているんですからね~
親が子供を育てる時も同じですよね~
優等生を育てるのがそんなにいいのかな~
天の邪鬼っていうのは自覚してますけど、それ以上に、こんな私って、やっぱり変?