ささがにの空にすがくも同じこと
まだき宿にも幾夜かは經む
僧正遍昭
新古今集 18
蜘蛛が空に巣をはっているのと同じこと
この家だって果たして何日保てるのだろう
笹がね、笹がに 同じ蜘蛛を指します。
以前にも取り上げたことがありましたけど、蜘蛛の振る舞いを見て、恋人が訪ねてくるという徴だとしたものが万葉や古今集にはあります。
このすぐ前の日記に載せた戯詩にも蜘蛛の振る舞いを匂わせておりましたけど、皆さんはお分かりですよね。
岬の家は木の中にありますので、蜘蛛も大変多い。
暗くなって家に戻ったときなどは、要注意。
あっと言う間に顔にべったりです。
この家も古くなって、手を入れようと思えばきりがない。
願いは、私が生きている間、雨露をしのいでくれればそれでいいのです。
まぁ、蜘蛛の巣よりかは、家も命も、長く保って欲しいですけどねぇ。