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子育て中の母親ハイエナが、巣に近づく天敵ライオンの気配を察し、自ら巣を飛び出して陽動作戦をして我が子を救う。
このシーンをテレビのドキュメンタリー番組で見て感動した記憶がある。
その“見てくれ”の悪さから、人間には常に悪役を演じさせられているハイエナでも、勝ち目のないライオンの接近に、
身を挺して我が子を救う気持ちは、人間も野獣も変わりがないものと感心した。
だが、その時人間と動物との大きな違いは、尊厳死に対する理解ではないかと妙な事を考えた。
自分、あるいは自分の愛する人が人間としての尊厳を失うような死の危機に瀕したら、人間はしばしば自らの命、あるいは愛する人の命を絶つ行為を選ぶ。
尊厳死の問題は奥深いのでその是非にはここでは立ち入らない。
我が子を愛する気持ちでは人間に負けない動物も、尊厳死の理解は困難だろうと、その時は年甲斐もなく、にわか哲学者になってしまった。
さて、昨日の「集団自決劇」の話である。
沖縄タイムス20日付け夕刊に、次のようなくだりがある。
<・・・渡された手榴弾を使って家族が命を絶つ「集団自決」の緊迫した場面。「こんなに大きく育ててきたのに。上の命令で亡くすというのは生まない方がよかったのか…」と父親が話すシーンでは、会場は静まり返り、百人以上の観衆の児童、保護者らはただ静かに舞台を見つめた。>
作者の宮城教諭は「上の命令で亡くすというのは生まない方がよかったのか…」というセリフが、犠牲者の死を冒涜していることに気が付いていないのか。
百歩譲って例え「上からの命令」があったとしても、犠牲者達は唯々諾々と命令だけの理由で我が子の命を奪ったというのだろうか。
集団自決の犠牲者達は、身を挺して我が子を守るハイエナにも劣るというのだろうか。
いや、そうではあるまい。
集団自決は、米兵の上陸を目前にして、我が子を、我が愛する家族を、人間としての尊厳を失うような死に方だけはさせたくない、と思った究極の選択ではなかったのか。
最も集団自決犠牲者を冒涜しているのは、子供たちを使ってこのような「プロパガンダ劇」を演じさせた左翼教師グループである。
劇の目的は「命の尊さを教える」というが、判断力の乏しい小学生に「上の命令で、子供を殺さねばならなかった」、
という間違った左翼プロパガンダを教えることが、
何で命の尊さの教育になるのか。
沖縄タイムス 2008年6月20日(金) 夕刊 1・7面
平和願い史実追体験/志真志小で「集団自決」劇上演
志真志小学校で上演された「集団自決」を題材にした平和劇=20日午前、宜野湾市志真志 |
宜野湾市立志真志小学校(喜納裕子校長)で二十日午前、沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」をテーマにした平和劇が上演された。上演前には脚本内容の変更要求や練習の見学要請のほか、「児童に演じさせるのは洗脳だ」などと、上演中止を求める電子メールが十件以上学校側に寄せられたが混乱はなかった。児童二十二人や教諭らは、一カ月前から練習を重ねた成果を披露。軍命などで、家族に手をかけざるを得なかった「集団自決」の悲しい史実と、命の大切さや平和の尊さを、観衆に訴えた。
◇ ◇ ◇
児童熱演 地域見守り/中止要求など逆境はねのけ
上演の中止や脚本内容の変更などを求める要請や電子メールでの嫌がらせなどの逆境をはねのけ、平和劇上演にこぎ着けた志真志小児童と教諭ら。会場には多くの保護者や地域住民に加え、「集団自決(強制集団死)」などの戦争体験者も訪れ、児童らの熱演をじっと見つめた。喜納裕子校長は「劇を通じて子どもたちは命や平和の尊さに気付いてくれたと思う。無事に終えられたことを喜びたい」と話した。
体育館に設置された特設ステージで上演された「ヒルサキツキミソウ」は、脚本を同校の宮城淳教諭、演出を県内外で活躍する演出家の幸喜良秀さんが担当した。物語は「集団自決」があったある島から、犠牲となった三人の子どもの霊が宿る石を、現代の女子児童が持ち帰り、学校内に隠したことから展開する。
米軍の艦砲射撃が始まり、渡された手榴弾を使って家族が命を絶つ「集団自決」の緊迫した場面。「こんなに大きく育ててきたのに。上の命令で亡くすというのは生まない方がよかったのか…」と父親が話すシーンでは、会場は静まり返り、百人以上の観衆の児童、保護者らはただ静かに舞台を見つめた。体験者の女性はハンカチでそっと涙をぬぐっていた。
孫の出演を楽しみにしていた平良ツエさん(84)=宜野湾市上原=は台湾で戦争を体験した。「今の子どもたちに戦争のことを知ってもらい、伝えることが大事。子どもたちが一生懸命に練習を重ねた演劇が、中傷されることは悲しいこと」と話した。
幸喜さんは「劇を通して沖縄戦を追体験することは意義がある。不幸な歴史体験を風化させずにウチナーンチュの平和への願いを、学び、伝えていってほしい」と話した。
出演した児童の代表は「たくさんの人が傷つき、亡くなった。戦争は怖いと思った。戦争のない平和な世界をつくりたい」と感想を述べた。
宮城教諭は「多くの人に支えられて若い先生方も子どもたちも一緒になって頑張った。命の大切さを子どもたちは実感したと思う。これからも劇を続けていきたい」とほっとした様子で話した。上演中、印象に残った言葉をメモ帳につづっていた退職教員の女性(63)は「劇は過激でも何でもない。子どもの発達段階に合わせた内容で分かりやすかった。『生きていることは、とても強いこと』というせりふが最も印象に残った」と話した。
体験者・宮城さん激励
会場には座間味島で「集団自決」を体験し、姉を失った元学校長の宮城恒彦さん(74)=豊見城市=も訪れ、子どもたちの演技を見守った。
平和劇の上演に対し、脚本内容の変更や中傷メールが届いていることを報道で知り「居ても立ってもおれず、激励しようと思った」と話す。
上演前には喜納裕子校長らを訪ね、自身や他の体験者の証言をまとめた本を贈った。宮城さんは「手榴弾を爆発させる場面では自分の体験を思い出し、胸が詰まり涙が出た。圧力に負けず戦争の恐ろしさ、命の尊さを学ぶ教育を続けていってほしい」と話した。
◇
屈せず守った創作劇 非戦 児童ら「集団自決」熱演 2008年6月20日 琉球新報
「集団自決」を題材にした創作劇「ヒルサキツキミソウ」を演じる児童らと観客=20日午前、宜野湾市の志真志小学校
◇
沖縄タイムス 2008年6月20日(金) 朝刊 27面
「集団自決」劇に抗議/志真志小制作
中止など要求/校長応じずきょう上演
宜野湾市立志真志小学校の児童や教諭らによる「集団自決(強制集団死)」をテーマにした平和劇について、「裁判で係争中の内容を上演するのはいかがなものか」「児童に演じさせるのは洗脳ではないか」などと、脚本内容の変更と練習の見学要請や上演中止を求める電子メール、電話が十件以上寄せられていることが十九日までに分かった。同校の喜納裕子校長は「劇はあくまで命の大切さを訴える内容であり、偏りはないと考えている。劇は予定通り上演する」と話している。
(略) 学校側は、脚本の確認や見学の求めには応じなかったという。同校は事態を憂慮し、市教委や宜野湾署にも報告している。喜納校長はこれまでの取材に対し「さまざまな意見があるのは当然だが、偏りはない。激励も寄せられ、子どもたちも一生懸命練習している。命の尊さを知る素晴らしい劇になると思う」と話している。
関係者「卑劣な行為だ」
「誹謗中傷に負けず、子どもたちや教職員、PTAが一体となって上演すると聞いた。大変素晴らしい」。大浜敏夫沖教組委員長は、学校関係者の姿勢を高く評価した。一方で、小学生が歴史を考える目的で行う劇にまで抗議する一部の言動を懸念。「沖縄戦の歪曲を狙う動きを、県民が一致して断固拒否することが大事」と指摘した。
9・29教科書検定意見撤回県民大会実行委の玉寄哲永副委員長は「悲惨な史実を次世代へ伝えるため、多くの体験者が立ち上がった。思いを受け止めた小学生や学校を批判するのは、あまりに卑劣だ」と怒りをあらわに。「子どもたちが、おじいやおばあのことを考えて演じる劇は、卑劣な言動を吹き飛ばす感動的なものになる」と話した。
十九日午後に同校を訪れ、練習を見学した伊波洋一宜野湾市長は「圧力には決して負けずに頑張ってほしい。歴史の重さを共有し、受け継いでほしい」と期待した。
◇
報道によると、 喜納校長はこれまでの取材に対し
「さまざまな意見があるのは当然だが、偏りはない・・・」と話している。
関係者は抗議のメールなどに対し「卑劣な行為だ」といっているが、この関係者の名前を見ると、「卑劣発言」は笑止千万な話だ。
◆大浜敏夫沖教組委員長⇒「「誹謗中傷に負けず、子どもたちや教職員、PTAが一体となって上演すると聞いた。大変素晴らしい」。
「沖縄戦の歪曲を狙う動きを、県民が一致して断固拒否することが大事」。
◆9・29教科書検定意見撤回県民大会実行委の玉寄哲永副委員長⇒「子どもたちが、おじいやおばあのことを考えて演じる劇は、卑劣な言動を吹き飛ばす感動的なものになる」。
◆伊波洋一宜野湾市長⇒「圧力には決して負けずに頑張ってほしい」。
いやはや、この関係者達こそ、自分の意見に多少でも違う相手には、赤鉢巻で徒党を組み拳を突き上げて猛抗議」する常連さんではないか。
たかが10数件の抗議メールで、卑劣とか圧力とか言うほど柔な神経の持ち主ではないだろう。
命の尊さを教えると言いながら、最も死者を冒涜しているのは、
「茶番劇」を企画した左翼勢力である、と思う方、
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