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筑紫哲也さん死去 NEWS23前キャスター 73歳(11/7)
筑紫哲也さん
政治・外交から文化まで幅広く報道するテレビキャスターとして長く親しまれ、雑誌「朝日ジャーナル」編集長も務めた朝日新聞元編集委員の筑紫哲也(ちくし・てつや)さんが7日午後1時50分、肺がんのため都内の病院で死去した。73歳だった。葬儀は近親者のみで行う。喪主は妻房子(ふさこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。
大分県生まれ。59年に朝日新聞社に入社し、68年には米軍統治下の沖縄特派員として返還交渉を取材。71年からの米ワシントン特派員時代には、当時のニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件を取材した。
84年に朝日ジャーナル編集長。「若者たちの神々」「新人類の旗手たち」などの企画が話題になり、「新人類」は流行語になった。
外報部次長時代の78年、「こちらデスク」(テレビ朝日系)のキャスターになり、テレビでも知られるように。89年に朝日新聞社を退社し、TBS系の報道番組「筑紫哲也NEWS23」のキャスターに就いた。穏やかな語り口で、フリップにタイトルを示して世相を評論する「多事争論」のコーナーが話題を呼んだ。98年11月にはクリントン米大統領(当時)をスタジオに招くなど、各国の首脳と市民が直接対話する場の司会を務めた。
07年5月、番組中で初期の肺がんを告白。治療に専念し、約5カ月後の10月に、がんを「ほぼ撃退した」として生出演を果たしたが、番組のキャスターが12月から後藤謙次氏に代わってテレビ出演が減っていた。
08年度の日本記者クラブ賞を受賞。著書に「筑紫哲也のこの『くに』のゆくえ」「職業としてのジャーナリスト」「旅の途中」などがあり、共訳に「メディアの権力」など。「スローライフ」にも着目し、NPO法人「スローライフ・ジャパン」の理事を務めていた。
◇
筑紫哲也氏が亡くなった。
言論・思想的には当日記とは正反対の立場にあったが、沖縄には良しにつけ悪しきにつけ、復帰前から深く関わりの深かった氏の訃報に、一抹の寂寥感を感じざるを得ない。
昨日の沖縄の平和運動の分裂報道に続き、沖縄の平和運動に多大な影響を与えてきた氏の死去は一つの時代の終焉を感じる。
ご冥福をお祈りする。
沖縄タイムスの衝撃と悲しみは、今朝の朝刊の見出しに表れている。
◆一面
<筑紫哲也さん死去>
ジャーナリスト 沖縄問題 発信続け 73歳
◆総合面
踏んだ現場が原点
評伝 筑紫哲也資を悼む
沖縄・米国・護憲こだわり
◆社会面
筑紫哲也さん死去 理解と愛情 沖縄に勇気
復帰の後押し■文化にエール
関係者、衝撃と悲しみ
[悼む] 太田昌秀氏(寄稿)
地元目線の報道、心強く
最近では筑紫氏の影響は殆どなくなったとはいえ、沖縄の平和団体には同氏を信奉する人は依然として多かった。
同じく今朝の沖縄タイムス社説は筑紫哲也氏が影響を与えてきた「平和センター」の分裂を嘆いて分けの分からない言説を述べている。
「全駐労」の脱退に対して、「県民の共感を得る活動を」というタイトルだが、脱退した理由が、
「自ら働く根拠の日米安保を否定する運動に理解をえるのは難しくなった」
というもっともな理由で、これ以上運動を続けることが(県民の)理解をえるのは難しい、と言っているのに対して、
「二律背反的な存在として、これからも積極的に平和運動にかかわって欲しい。 それがあってこそ県民の共感が得られると思う。」(社説)
は支離滅裂ではないか。
二律背反だから、県民の理解を得られないというのに、二律背反を積極的に行えば県民の理解をえれらる・・・これを支離滅裂と言わずに何と言おう。
それとも県民の理解は、タイムスの理解があれば済むとでもおもっているのか。
だったら、それは傲慢不遜といいますよ、タイムスさん。
筑紫氏に追悼の特別記事を寄稿した太田昌秀氏が県知事戦に落選したとき、筑紫氏は太田氏の落選を地団太踏んで悔しがり次のような一文をタイムスに寄稿していた。
あれから幾星霜。
既に10年を数える。
時代は変わった。
沖縄タイムス <1998年11月22日> 朝刊 1版 総合1面(日曜日)
[筑紫哲也の多事争論かわら版]/大田さん/輝いていた沖縄の知事
「残念だ」「がっかりした」。
沖縄県知事選挙の取材から戻ってきた私は、未だにこの二種の感想にしか出会っていない。
選挙結果と引き較べると、どうやら大田昌秀氏は、当の沖縄より本土の方が人気があったのではないか、と思えるほどである。
普段は沖縄のことにそう関心を持っているとは思えなかった人たちの口から、そういう感想を聞かされると、なぜなのだろうと考えてしまう。
そういう人たちをふくめて、全国的知名度のある唯一の沖縄の人が、安室奈美恵さんを除けば、大田さんだったということが、まずある。沖縄から本土に向かって何事かを問いかけ続けた「発信体」であり、「象徴」でもあった。
"大田人気"の第二の理由は、その発信のなかみである。そこには、中央政府への「抵抗」、異議申し立ての要素が多分にふくまれていた。
週末は東京以外の全国各地に身を置くことを習慣にしてきた私は、地方保守政界にすら根強い大田人気、と言うより期待があることを発見して驚いたことがある。箸の上げ下ろしまで指図しかねない中央集権、権力の一極集中にうんざりしてきた人たちは、米軍基地をいわば"人質"にして中央政府に抵抗を示す大田さんがどこまでやれるかを、半ばわがことのように注視していたのである。
人気の第三の理由は、大田さんがこの国の諸々の指導者のなかで珍しく、理想、理念、原則を語り、それに従おうとした人物だったことだと思う。時あたかも、中央ではそれらを全て欠いた権力争い、離合集散が続いたから、この対照は一層鮮やかであり、「いっそ大田さんを首相にしたら」という巷の声ともなった。
この夏、私がかかわっている郷里の市民大学は、二日間にわたる特別講座を催した。参加者も全国各地から集まったが、講師も中坊公平、菅直人の各氏をはじめ、多彩な顔ぶれで、大田知事にも加わっていただいた。「これからの日本をどうする」という大テーマに、沖縄は外せないと思ったからである。
「大田さんの輝きの前に、わが県の知事は色あせて見えた」と地元参加者が感想を語った。「わが県の知事」は、実績も個性もあり、他県とは群を抜いた存在だと私は思ってきたのに、である。
結果的には、第二、第三の理由は選挙戦で大田さんの足を引っぱることになった。そして、沖縄は有能な「スポークスマン」を失うことになった。沖縄だけでなく、この国のありようを問い、考えさせてくれた大田さんに「ありがとうございました。そしてご苦労さまでした」と申し上げたい。
「残念」「がっかり」の感想のなかには、自分たちが自分たちの場でなすべき努力を棚上げして、他者にそれを期待する、例によっての身勝手がふくまれている。が、現実として、そういう人たちの沖縄への関心は当面は潮が退くように遠くなるだろう。「中央とのパイプ」の代償に、そういうこともあることを覚悟して、稲嶺さんにはがんばっていただきたい。
◇
>全国的知名度のある唯一の沖縄の人が、安室奈美恵さんを除けば、大田さんだったということが、まずある。
ご冥福を祈った後で突っ込みを入れるのもナニだが、これは太田氏に対する思い込み過剰ではなかったですかね、筑紫さん。
この記事には二年前のエントリ「懐かしき幻影 「大田さん 輝いていた沖縄の知事」で、既に次のように突っ込みを入れていた。
≪>どうやら大田昌秀氏は、当の沖縄より本土の方が人気があったのではないか、と思えるほどである。
その通り!
沖縄県民の総意は太田氏に「ノー」を突きつけたことをお忘れなく。
本土で人気があるというのは沖縄マスコミを通じて本土の人々が抱いている太田氏の幻影であり、
実際の県民の総意とは、かけ離れた虚像であることに、今頃お気づきですか、筑紫さん。≫
筑紫氏を追悼し、筑紫氏について触れた部分を更に一部抜粋して再度筑紫氏のご冥福を祈りたい。
≪沖縄は、筑紫氏のジャーナリストとしての起点であり、それは抽象論ではなく米軍占領下の昭和43年から昭和45年の二年間、朝日新聞沖縄特派員として、沖縄タイムス、特に創業者の豊平良顕氏の薫陶を受けたという。
豊平氏といえば『鉄の暴風』の執筆者であり、監修者でもあるので、若き日の筑紫氏が新聞記者として、その薫陶を受けていたとなると、朝日の筑紫記者が沖縄タイムスに影響を与えたというより、その逆であったといえる。
筑紫氏によると沖縄紙の「偏向報道」米軍占領当時からあったという。
沖縄駐在当時、豊平氏に沖縄紙は「復帰運動の機関紙ではないか」という問いをぶっつけて見たという。
「一方には政治、経済、軍事に及ぶ全権力を手中にした異民族の統治者がいる。 その一方には民主制の下なら誰もが保障されるはずの基本的権利一切を奪われている被統治者がいる。この両極端な不均衡のなかで、両者の言い分を平等に取り上げることが果たして客観的、中立、公平を「いえるのか」という意味の答えを得たという。
なるほど、当時の沖縄でなら理解できなくもない意見だが、筑紫氏は豊平氏の言葉を借りて現在の沖縄紙の「偏向報道」を正当化しようとしているが、現在の沖縄はチベット自治区でもなければ、コソボ自治州でもなく、まぎれもなく日本国憲法の下の日本の一県であることを忘れている。
それどころか沖縄紙の偏向報道は日本復帰してからその度合いを激しくしており、今では偏向報道というより反日報道といった方がふさわしい。≫(筑紫哲也と沖縄タイムス 沖縄紙偏向していない!)
「おまけ2」
筑紫さんもお歳の割りに毛が多かった。
「禿げない人はガンになる」というチン説の証明?
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