狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

社説で寝言の発狂新聞

2011-11-07 20:11:03 | 八重山教科書採択問題

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[教科書問題提訴へ]3教委は最後の努力を

沖縄タイムス 社説  2011年11月6日 09時40分 

 八重山には「やらびぬ どぅ ぴぅとぅぬ しぅなだー みー」ということわざが伝わる。「やらび」とは子ども、「ぴぅとぅ」とは人、「しぅなだー」とは姿という意味だ。子どもの前で、子どもがまねては困るようなことをするな、と「八重山ことわざ事典」の著者宮城信勇さんは大人を戒める。

 混迷を極める八重山地区の中学公民教科書採択問題は今週にも裁判に持ち込まれることになりそうだ。

 子どもが不利益を被る可能性がある。3教委とも成り行きを座視することなく、当事者であることを忘れてはならない。もつれた糸を解きほぐすための話し合いのテーブルを設定するなど最後まで努力を尽くしてもらいたい。

 教科書は来年度から4年間、現在の小学5年生から中学2年生まで使用する。対象となる石垣市内の小学生の保護者らが育鵬社版を採択した市教委を相手に、東京書籍版の無償給付を確認する訴訟を那覇地裁に起こす。同じケースの与那国町の保護者らとも連携していく方針だ。

 同地区の中学公民教科書選定をめぐる動きを振り返ると、3教委から諮問を受けた八重山採択地区協議会が8月、育鵬社を答申した。石垣市、与那国町両教委は答申通り育鵬社、竹富町教委は東京書籍を選び、採択が異なった。このため9月に開かれた3市町の全教育委員協議で東京書籍を採択した。

 保護者らの訴えは、全教育委員協議の採択の有効性を確認するものである。

 文部科学省と調整しながら指導・助言してきた県教委も全教育委員協議の採択を有効とする。一方、文科省は協議会の答申を有効とし、今月中に一本化できなければ竹富町教委に自費購入を促す。

 先月末の衆院文科委員会。質問者が、答申と採択が異なった場合でも無償となっている他県の例を挙げ「同一でないという点では、石垣・与那国も竹富と同じ。竹富だけ無償にならないのはつじつまが合わない」「協議会の答申は現場教師の意見を聞かずに強引に決めた。だから3市町の全教育委員協議で否決された」と中川正春文科相をただした。当然の指摘だ。文科省が答申にすぎない協議会の結論を根拠にするからである。

 教科書の無償給付を定めた無償措置法が地区内は同一教科書とし、地方教育行政法は採択権は市町村教委にあるとする。法整備の怠慢を棚に上げ、その矛盾の責任を竹富町教委に負わせる文科省のやり方はやはりおかしい。

 「育鵬社ありき」の立場で協議会会長の石垣市教育長が主導して協議会委員の入れ替えなど規約を変更。現場教師の調査員による教科書の順位付けを廃止した。

 教科書選定の関係者は自らの「しぅなだー」に対する子どものまなざしに鈍感と言わざるを得ない。訴訟は解決の方法としては最終手段だ。地域を分断しかねない。

 3市町教委は打開策を探る責務がある。その努力を惜しんでは、これまで先人が営々と築いてきた八重山の教育に禍根を残すことになる。

              ☆

この期に及んでまだこのような寝言を、社説として発表する神経の太さにはある意味感服させられる。

八重山教科書問題では当初から歪曲、捏造、印象操作、それに加え「報じない自由」などにより、読者を混乱させた発狂新聞だが、八重山のことわざを取り混ぜて読者を更なる混迷の道へ導くつもりなのだろうか。(笑)

社説で述べる疑問に対しては八重山日報の読者ならすべて明快に答えられると思うので一々取り上げないが、沖縄タイムスが言いたいことは次の点だろう。

>保護者らの訴えは、全教育委員協議の採択の有効性を確認するものである。

さすが発狂新聞、いまだに「井戸端会議(の2次会)を有効と認めよ、という神経にはあきれて言葉を失う。

>3市町教委は打開策を探る責務がある。その努力を惜しんでは、これまで先人が営々と築いてきた八重山の教育に禍根を残すことになる。

先人が営々と築いてきた八重山の教育とは、16年もの長きにわたって極左前市長の庇護のもとに、やりたい放題の違法行為を繰り返してきた事実を注すのだろうか。(爆)



■八重山日 11月6日


教科書問題 混迷続く
過熱 市教委提訴へ
対立構図解消されず
 八重山地方の中学公民教科書をめぐる混迷が続いている。保守
色の強い育鵬社版採択を求める石垣市、与那国町とこれを拒む竹
富町。県も巻き込んだ対立構図は解消されないままだ。収拾に乗
り出した文部科学省は「竹富町が自費で教科書購入を」と”妥協
案”を示したが、地元は「義務教育を無償と定めた憲法に違反す
る」と一蹴。着地点が見えてこない。
 「地元では『憲法違反』との声が上がっている」。10月31
日、文部科学省。沖縄県の大城浩教育長は、応対した森裕子副大
臣ら同省幹部に不満をぶつけた。「義務教育は無償」と定めた憲
法26条は、教科書にも適用できるとして「自費購入」方針を翻す
よう迫ったが、文科省側は一本化できなければ竹富町に無償措置
を適用できないとの考え方を重ねて伝え、突き返した。
 混乱の原因は異なった二つの「結論」だ。3市町の教育長や保
護者らで構成する採択地区協議会は8月23日、多数決で育鵬社版
を選定。しかし竹富町は反発し、同27日、東京書籍版の採択を決
めた。再協議することになり9月8日、県の担当者も同席の上、
3市町の全教育委員による会議を開催。多数決で東京書籍版を選
んだ。今度は石垣市と与那国町が反発し、採択地区協議会の決定
が有効と主張。3市町のにらみ合いが続いている。
 教科書採択制度は「各市町村教育委員会が教科書を採択する」
とした地方教育行政法の規定と「都道府県教委が決めた採択地区
ごとに同一の教科書を選ぶ」とする教科書無償措置法が併存して
いる。「地区内で意見がまとまらないという事態は想定していな
かった」(文科省)のが実情だ。文科省の見解は「採択地区協議
会の決定が有効」。ただ制度の矛盾も踏まえ、3市町が折り合え
る地点を見いだそうと、水面下で内閣法制局と法解釈の協議を進
めた。その上で竹富町の採択を「無効とまで言えない」とし、国
の無償供与の対象にはならないものの、町が購入するのは「法令
上禁止されるものではない」と位置づけた。
 ”玉虫色”ともいえる打開策について幹部は「竹富町に育鵬社版
を使えと強制はできないが、東京書籍版を国が無償供与するのは
無理。これがぎりぎりの線だ」。だが竹富町と県にあっさりはね
つけられ、幹部は「こちらの配慮が分かってもらえない」と嘆い
た。竹富町が公民教科書を自費購入する場合、次の教科書選定ま
での4年間で約140冊の見通し。総額10万円に満たないが同町は
「金の問題ではない」と譲らない。県も「無償措置は国が責任を
持ってやること。自治体に負わせるのはおかしい」との見解だ。
 そもそも県は9月8日の会議で東京書籍版を選んだ決定が有効
との立場。この会議は一本化のための再協議だと出席者に確認し
ながら進めており、手続き的に問題はないと主張する。非公開、
無記名投票だった採択地区協議会に比べ、9月8日は住民に公開
しており、透明性も高いとする。文科省は11月末までに必要な
教科書数を国に報告するよう沖縄側に求めている。石垣市では
住民が「東京書籍版を選んだ決定が有効」として、市教委に同社
版の無償供与を求めて提訴する方針。事態はさらに過熱しそう
だ。                     (共同)


■八重山毎日新聞 11月6日


教科書問題
公開された採択協会儀録
 石垣市教育委員会が4日公開した教科用図書八重山採択地区協
議会の会議録。8月23日の教科書選定作業の会議録資料はA4判
両面書きで28ページに及ぶ。委員の意見が分かれた調査員の順位
付け、会議の公開、投票方法、選定結果の公表、委員の氏名公表
をめぐる議論と、今問題となっている公民教科書の選定作業の様
子を議事録で紹介する。掲載にあたっては文章を一部省略した
り、かっこ内で説明を加えたりして文意が通るようにした。3教
育長は公開、教育委員3人とPTA代表、学識経験者の計5人は非
公開となっている。玉津博克会長(石垣市教育長)は「玉津」、
慶田盛安三副会長(竹富町教育長)は「慶田盛」、崎原用能副会
長(与那国町教育長)は「崎原」と表記する。※は注

《順位付けの廃止》
玉津  平成17年3月4日付けで県教育義務課長から教科書採択        
    の通知文が出ているが、通知文に違反する形で調査員の  
    報告が平成17年から現在までなされている。この通知文
    を見せたのは、一つの証明になると思ったからです。
    ※通知は1種絞り込みの是正を求める一方、かっこ書き 
    で「全発行社の教科書について報告書を作成し、その中
    で数社を順位付けする」とある。
慶田盛 違反とは何ですか。
玉津  1種に絞り込むことです。
    ※1種絞り込みは、現場の調査員は協議会に報告する際
    に、調査対象の教科書から一つに絞って報告すること。
慶田盛 私のところに17年度の資料はちゃんとある。
玉津  コピーをいただきたい。
委員  私も1種絞り込みというのは、会長の勘違いだと思う。
    各教科の下のほうに、数社を順位付けをした調査票を出
    している。実際にやった調査員から確認もとった。数社
    全部調査して順位を付けたことは、1種絞り込みに当た
    らない。
玉津  そのことは私も聞いている。これについては別のところ
    で議論を深めたい。
慶田盛 いや、これは大事なことです。
玉津  調査員が複数順位付けをしてきたことは、私も掌握して
    いる。ただ協議会に提出する際に、1種絞り込みのスタ
    イルが残っている。
慶田盛 かっこ書きではっきりと順位付けをしていいと書いてあ
    る。
玉津  後ほど事務局も含めて話し合いをしたい。
慶田盛 これでは話にならない。こんな大事なことを。
委員  1位に指名したことは1位(種)に絞ったことではない
    か。順位付けの1番は絞り込みではないか。
玉津  1位絞り込みを含めて3位までの順位付けも含めて、
    今、国の方が県のこういう選び方について指導する状況
    にあるので、県がやっているから良いということで、こ
    こで終わりにしたいと思う。そうしないと審議が始まら
    ない。
慶田盛 これは大事な話。八重山だけですよね、順位を付けない
    のは。
玉津  1社絞り込みは八重山だけですよね。それはダメですよ
    と県が言っている。
慶田盛 1種絞り込みではなく、この順位付けはいいのでは。
玉津  順位付けにはノーコメントとします。私たちは絞り込み
    をやめようということですから。
崎原  今までの協議会は調査員の1位のものを報告している。
    昨年の経験からいうと、協議会で審議をしたことは一度
    もない。これでよろしいですかと承認して終わってい
    る。
委員  竹富町の教育長からもらった資料では、1番のものを出
    しているからちょっと矛盾しているのではないか。採択
    教科書として1番の教科書の名前を書いてあるからこれ
    で絞られていることになるのではないか。
玉津  エンドレスの議論になるので、これで終わりにして、本
    来の業務に入っていきたい。終わった後にまたやっても
    よいのではないか。今日の業務は教科書を選定すること
    を優先したいと思います。

《会議の公開》
玉津  今日の会議は非公開の方向でやっていくが、どうです
    か。
委員  私は公開しても良いと思う。大いに注目されている会議
    ですから。
慶田盛 私も公開してよいと思う。こんなにも関心を持っている
    ものですから。
崎原  反対します。文科省の通知にも静謐(せいひつ)な環境
    の中で選定しなさいとあり、見せ物ではない。何で公開
    したいのか。注目は誰がしているのか。
委員  何の文書に書いてあるのですか。市民から注目されてい
    るから公開がよい。
崎原  静謐な環境というのがこんな状況なのか。あんな状態が
    静謐な環境と言うのか。
委員  ルールをうたっているので公開してもよい。
玉津  賛成、反対の意見があるので…
委員  前に確認した通りでいいのではないか。
玉津  それでは決をとります。公開に賛成の方の挙手をお願い
    します。賛成少数(3人)で否決します。

《無記名投票》
玉津  教科書選定方法ですが、無記名でいくと言う流れで進め
    ていくが、意義ございませんね。
委員  記名投票でもよい。きちんと意見を出したほうがよい。
    誰がこの教科書を選んだということをハッキリ分かるほ
    うがよい 。
玉津  記名をしたほうがいいという人、どうぞ。
委員  名前を書くことによって意見が言えなくなる。
委員  新聞報道をずっと見て、私が委員ということが分かっ
    て、いち早く私のところに来た。極秘事項が極秘でなく
    なっている。極秘事項がまかり通ってマスコミが騒いで
    いる。そういうことがなければ委員の家へ訪問して来な
    い。
崎原  あえて記名にする理由がわからない。
委員  ちゃんとした意見を…
玉津  議論が出尽くしているので記名に賛成の方挙手をお願い
    します。賛成1人なので却下します。

《選定結果の公表》
玉津  協議会としては今日の会議の結果を非公開にしたいとい
    うことであるが、これについて意見を。
委員  協議会の結果は公表して、教育委員会に上げたほうがよ
    い。
玉津  文科省の教科書採択についての手引き等には、協議会は
    教育委員会が採択した後に公表しなさいということに
    なっているので、それでもあえてやるのであればその理
    由を。
委員  先ほどから言っているが、毎日のように新聞をにぎわし
    ているので協議会の結果を公表したほうがよい。委員と
    しては問題はないと思う。
崎原  協議会の教育委員会に報告する義務はあるが、公表する
    義務はない。教育委員会に報告しないうちに協議会が公
    表するのはいかがなものか。
委員  なぜ文科省の通知通りしないのか。私たちはそれに沿っ
    て動いている。
玉津  文科省の通知を読んで下さい。
委員  文科省の文章では協議会会議の公開も認められている。
玉津  この文章はどこからのものですか。文言を引用する場合
    には具体的にどういうケースで適用できるかきちんとや
    らないといけない。
委員  教育委員会に答申するまで公開しないほうがよい。これ
    だけ秘密、秘密と言っている中で委員の名前がばれ、調
    査員の報告書も知れ渡っている。今、結果を発表すると
    教育委員への働きかけが始まる。教育委員会の場でしっ
    かり再審議したほうがよい。
玉津  決をとります。1人であるので否決したいと思う。非公
    式ということなので、今日のことは一切口外しないでい
    ただきたい。
委員  情報がもれて委員の名簿まで漏れているので、罰則規定
    を設けないといけないのではないかと思う。
玉津  調査員が推薦しない教科書として保守系の2つの教科書
    が報道されているが、情報がどこからリークされている
    のか、会長としては腹立たしい限りだが、今日のことを
    含めて絶対口外しないようにお願いします。

《委員の氏名公表》
玉津  協議会委員8人のうち、教育長3人は公開だが、それ以
    外の委員は公開、非公開なのか意見をうかがいたい。
委員  公開でよいのでは。
委員  隠すべきではない。顔を見せて(会場に)入ってきてい
    るので公開して下さい。
委員  私は非公開。例えば訪ねて来られたり、文書がきたとき
    や中傷を受けたときに拒否できなくなる。公開したら引
    き受けないといけない。一切断れない。ある人から夜は
    歩くなと言われた。
委員  私はどこから名前が漏れたのか。いろいろ電話が来て、
    1時間以上の電話もあった。文書も来た。正直言って一
    つの脅迫ですよ。
慶田盛 社会の流れであるので公開がよい。
委員  知らない人まで知ることになる
事務局 市情報公開条例を担当した沖国大の前津(栄健)教授に
    確認したら、公開請求がきて非公開とした場合、不服申
    し立てがあった場合には審査会が開かれ、協議会委員は
    その時には公開が求められる。そうなると公開しなけれ 
    ばならなくなる。
玉津  協議会の皆さんの意見を確認しておきたい。文科省の通
    知によると、できるだけ公開するとあるが、できるだけ
    ということが皆さんの意見を踏まえて、ということにな
    ると思うので賛否をとります。3人が賛成。賛成少数で
    否決となりました。非公開にしたいと思います。

《意思表明》
玉津  9教科15種目の調査票が出ているが、今回から新たに
    「その他」を設けて学習指導要領や沖縄、八重山がどの
    ように描かれているという情報提供などをやった。それ
    なりにやっているなと思うが、ただ一つだけクレームを
    言いたくなるのは、きちんと客観的に書いてもらいたい
    ということ。今後は調査員の勉強会もやっていきたいと
    事務局では感じている。皆さんも多いに調査結果を参考
    にして、教科書選定の結論を出していきたい。国語から
    いきます。
委員  言語能力をつけるという意味で、私は東京書籍を推薦し
    たい。
委員  何を自分が推薦するか一人ひとり言うのか。こういう説
    明の仕方なのか、これ以外のもの(説明の仕方を)は
    やってはいけないのか。
委員  無記名投票では意味がない。
玉津  できるだけ教科書名を言わないで推薦をお願いします。
委員  ちょっとおかしい。
玉津  名前を言わないで推薦できればよいですね。
委員  継続性を重要視した教科書を選びたいと思う。こういう
    ふうに言えばよいですね。
委員  学習指導要領や教育基本法の改訂のポイントを押さえ
    る。それから、他の教科書との横断的な取り扱いができ
    るのか、そこを見る。読む気を起こさせる。国語は見た
    目も大切。行間の評価、文字のポイントの問題を非常に
    大事にしたい。そのような観点から選んでいきたい。
崎原  教科書名を言わないと、判断ができないのではないか。
    (中略)
玉津  この辺りで終わってそろそろ投票にいきたいと思う。
委員  何のために言っているのか。どういうことが協議に資す
    ることなのか。そうでなければ(明確にしなければ)
    時間の無駄になる。
玉津  ここで思い切り議論をしていこうということではないと
    私は思っている。自分がだいたい選んでいることをベー
    スに互いがこういう観点から選びましたよ、という意思
    表明だと思う。議事録を読んだときしっかりと広い視野
    で議論をしている、教科書を選んでいるということを、
    お互いに公表できるということが意義のあることと思
    う。

《公民分野》
玉津  (調査員の報告書を紹介した後)、以上が調査員からの
    報告ですが、皆さんの意見を
崎原  ありません。
委員  社会科の大きな目的は、公民を育てること。公民とは何
    かという定義に基づくものが具現化されていることを取
    り上げられるようなスタンスの教科書を選びたい。もう
    ひとつは学習指導要領に書かれている現代社会の見方、
    とらえ方というものがあり、そのような基本的、基礎的
    なものを抑えている教科書はどれかという観点から選ん
    だ。(中略)領土で国家をとらえるよりも、竹富島のこ
    とわざにある「言葉を忘れると島を忘れる。島を忘れる
    と親を忘れる」ということの延長線上として国家をとら
    えたい。そういう思いで教科書を見た。
委員  思考力、判断力、表現力の育成についてどの教科書が一
    番内容が合致しているのかという観点で教科書を選んだ
玉津  ほかに意見はありませんか(意見なし)。ないというこ
    とでよろしいですか。投票用紙は裏返しだお願いしま
    す。議事録で名前はでませんので安心して下さい。投票
    をお願いします。
事務局 育鵬社5票、東京書籍3票
玉津  それでは数学に入っていきたいと思います(その後、数   
    学の報告書を紹介)
委員  先の公民の件ですが。
玉津  この発言は取り上げますか。
委員  実は調査員がマイナスをつけた教科書が5対3で選ばれ
    たのか、ちょっと疑問。
玉津  どうしてこれを先に言わないんですか。
委員  育鵬社などは表紙に沖縄県が入っていない。米軍基地な
    ども記述がない。二酸化炭素などとマイナス面がたくさ
    ん書いている。なぜ推薦(選定)されるか分からない。
玉津  これは私たちが選ぶんですよ、調査員の報告はあくまで
    も参考。議論を蒸し返すことになるので取り上げないよ
    うにしたい。
委員  これがなぜ選ばれるのか分からない。
玉津  ではちょっと中断して今の件については議論をしたいと
    思う方、手を挙げて下さい。3人ですね。
委員  マイナス面が多いのになぜ取り上げないのか。
玉津  もう投票は終わりました。最初から言っています。今の
    件(報告書)は参考にするだけです。決めるのは私たち
    です。名前が(報告書)に載っていないから投票しては
    いけないということはない。
委員  わかります。あまりにもマイナス面が大きく書かれてい
    るのでおかしい。
委員  各個人のスタンスの問題。(調査員に)選ばれていない
    ものでも選んでよいかということだが、みんなよいと
    言った。それが1点。もう1点は教科書をみんな見た
    か。本当に自分が選びたいものを選んだか。あるいは
    調査員だけのものを調べて見たか。個人が教科書を見る
    スタンスが違っていたと思う。私の場合は、調査員のも
    のまず大事にした。調査員のものを選ぼうと思った。そ
    の次に教科書が変わった場合、今まで使っていたものと
    変わった場合、もしかしたら前の教科書が私にとって良
    いものかもしれないので、前の教科書も見た。その他に
    今、歴史と公民でこれだけ騒いでいるので、見ないわけ
    にはいかない。見ました。自分の中に基準を持って教科
    書に当たっているので(報告書と違う教科書)出ていて
    も不思議ではない。
委員  ただ、私たちが見ている時間と、調査員が見る時間が違
    う。研究資料の中で育鵬社はマイナスがたくさんある。
崎原  調査員の資料と私に送られてくる抗議文の内容がまった
    く同じなんです、調査員が書いた通りのことが抗議文で
    くる。これを、私は公平な判断とは見ていない。僕の受
    けた判断で、逆に調査員の判断でなく、外部からの判断
    で書かされたものと(しか)理解しなかった。
委員  調査員は、何人(3人)も集まって書いているわけです
    よ。
崎原  調査員が書いた文章そっくりの抗議文が送られてくるの
    か。これは公平な判断とはとらえなかった。
委員  これは分かりません。
崎原  分かりませんでは通りません。
委員  調査員に失礼です。私にも実際(抗議文が)きており、
    与那国町教育委員会にも流れてくる文章の内容はほとん
    ど(調査員のマイナス評価)と一緒。どういうふうに調
    査委からもれたのか、外部からどのように指導されたの
    か分からないが、調査員が一生懸命研究したことに対し
    て調査員を非難する言葉は撤回してほしい。
玉津  いろいろ意見もあるが、調査員の報告を是とすれば委員
    の通りになる。一方、教育長のおっしゃるように調査員
    の調査の手法として果たしてどうなるのかという疑問も
    また出てくるので、調査員ありきということではいけな
    い。
委員  教科書を選ぶときに教科書を勉強した調査員がマイナス
    (評価をつけているん)ですよ。
玉津  分かります。これについては私たちの会則の中に、一番
    大事な部分、つまり(調査員の報告に)拘束性を持たさ
    ないこと、ということがある。
委員  私たち協議会委員も歴史、公民を全部読むことはできな
    い。
玉津  拘束性を持たせないということは、たとえ調査員の推薦
    がなくても、それぞれ私たちの判断で決めるということ
    が基本。
委員  今、歴史と公民がクローズアップされているので、みん
    なが本当に勉強していたらよい。
玉津  この中に調査員が推薦しないものを自分が選んだものが
    ある。
委員  会長が前の時に、教科書を見なくても見たと言えばいい
    ですよと話したでしょう。そういう話をしたから委員に
    誤解が生じることになる。
玉津  待って下さい、今の話は。
委員  そういう話をしたから誤解を招く。
玉津  今の話は別。発言ストップ。基本的に調査員の順位付
    け、拘束性を持たせる順位付けは絶対廃止するというこ
    とで協議会を始めた。
委員  順位付けは良いと言っているでしょ。
玉津  これはきのう、一昨日出てきた話でしょう。いや、これ
    は県が言っているだけです。私どもは県ではない。
委員  会長は順位付けは良いですからと、さっき言ったでしょ
    う。
玉津  順位付けについては良いとは誰も言っていない。順位付
    けについては今、国が沖縄県に対して調査が入ってくる
    可能性がある。私たちは(県通知の)一番表にある一種
    絞り込みはやらないということで、これだけは確認でき
    る。順位付けが良いかどうかは今は議論はしていない。
委員  しかし、先ほどの会長はこれはありますよと言った。
玉津  ありますよ、しかしよく見てください1種絞り込み是正
    とある。なぜか分かりませんが、こんな表現は普通はし
    ませんね。かっこ書き(全発行社の教科書について報告
    書を作成し、その中で数社を順位付けする)をどう理解
    するかは、これからの話なので、これは出さないで下さ
    い。
委員  決まった後にものを言わないで下さい。
崎原  僕はマイナスととらえていない。内容を見て下さい。素
    晴らしく、指導要領に全部合っている。
委員  崎原副会長には調査員の思いをもう一度分かっていただ
    きたい。今、マスコミ、沖縄県、日本全国が…
崎原  約束は守って下さい。教育委員会で採択するまで、公表
    はしないことを守って下さい。
玉津  この件は最初に終わっていることであり、議論の蒸し返
    すことになるので、これは取り下げて下さい。数学の投
    票をして下さい。   
 

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嘘と知りつつスクープ記事!オカッパの少年

2011-11-07 06:27:02 | オカッパの少年

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11月1日にエントリーした「最終章、「オカッパの少年」の謎を追って」の最後の文を次のように結んだ。

≪朝日報道では引退したはずの大城氏はその後も西宮界隈の教員たちを引率して慶良間戦跡ツアーのコーディネーターをしていることが判明している。

 ⇒座間味にいた「うつろな目の少女」

そしてやはり大城氏はウソをついており、それを承知していながら琉球新報が捏造記事を書いたことが判明した。

衝撃の新事実、オカッパの少女は女性だった!

琉球新報がウソと知りつつ歪曲報道したと言う証拠は、次のエントリーで紹介する。≫

              ★

■嘘と知りつつ報道した琉球新報




映画の中では右手がない様子がわかります。
新聞の記事には「右手は義手」と書かれています

次に引用するのは26年前の琉球新報 朝日新聞の特集記事「夏草の祈り」の抜粋である。

≪写真≫ あの時 子どもだった

映画出演し 惨劇を証言

この夏、沖縄では映画『戦場ぬ童(いくさばぬわらび)の自主上映が盛んに行われている。 公民館、小学校、小さな集会場には人々が集い、スクリーンを食い入るように見つめる。沖縄戦終結から40年を期して作られたこの映画は、米軍と日本軍の地上戦戦闘に否応なく巻き込まれた沖縄の子どもたちの姿を追う。 そして、現在40代となったその最後のおきなわせんの体験世代に、証言の列に加わるように呼びかけた。 

虐殺住民のさなかで
沖縄市西原町の玉那覇(たまなは)春子さん(48)は、映画のなかで、積極的に自身の戦場体験を語る。 春子さんが映画に出演するようになったのは、1枚の写真がきっかけだった。 その写真には、米軍従軍写真班が撮影した「右腕を負傷した少女」だ。 撮影は「6月21日具志頭(ぐしかみ)で」となっている。 この日は沖縄戦の総指揮官だった牛島満中将自決の2日前。 戦闘は終結に近づき、日本軍による住民虐殺、集団自決の強要などの惨劇のさなかだった。 
春子さんは、この写真を夫が買って来た写真集で見て「自分ではないか」と直感した。 現在の春子さんは、右腕のひじの先がない。 写真の少女の右腕と、右わき腹のけがは、戦場での自分の傷と一致している。 生まれは沖縄本島南部の具志頭村。 父は楽器製造家。 米軍上陸から2ヶ月余りたった6月の初め、背走してきた日本軍が村に入り込み、「軍が使うから」と、家を追われた。 父親はすでに防衛隊にとられており、母親は春子さんと妹を連れ、食料、衣類を手に、親類の人たちと一緒に村を出た。 
「イモのくずを湯でといて飲み、飢えをしのぎながら、あちこちの防空壕を渡り歩いた。 ちょうど梅雨で、雨にぬれながら、戦場を逃げ惑いました」

4日目に母が死亡
家を出てから何日目だっただろうか。 大きなかわら屋根の家にたどりついた。 避難民があふれ、仕方なく軒下で夜露をしのんだ。 3日目に、その民家が直撃弾を受け、血の海となった。 母は全身から出血し「水が飲みたい、水が飲みたい」と言いながら、ガジュマルの木下で4日目に息をひきとった。
春子さんは右腕とわき腹に負傷した。 鉄の破片が入っていた。 その時、親類の若いおばさんが、自分の着ていたかすりの着物を引き裂き右腕をつってくれた。 妹も両足に大怪我をした。 どこをどう逃げまどったのか、気がついた時は、コザの野戦病院のベッドに横たわっていた。 右腕は切断されていた。 傷口には無数のピンク色のウジがはい回り、すごく痛んだことは記憶にあるのだが。 写真の少女については、「首にかけた布が、私のものと同じにに見えた。 身につけている花柄の生地は、当時は沖縄では珍しかった。 新しがり屋の母は洋装好みだったし、砲弾を浴びる少し前に「どうせ死ぬのだから、きれいなかっこうをしようと、一番いい服に着替えさせてくれた。 戦争で母の写真もみんな焼けてしまったが、ハワイに移民した親類が数年前に送ってくれた母の写真を見ると、同じような柄の洋服を着ています」と春子さんはいう。(略)(琉球新報 朝日新聞 1985年8月12日)

★ソース
夏草の祈り  あの時子供だったhttp://blogs.yahoo.co.jp/masazumi_kenmochi/32654237.html

【付記】11月18日 

上記リンクにある1985年8月12日付新聞記事は朝日新聞の記事であることが判明したのでお詫びして訂正いたします。

 

                       ☆

 

注目して欲しいのは、この記事が当日記が当初から疑問を呈していた「オカッパの少年」をスクープした琉球新報の記事であること。

ドキュメンタリー作家で「1フィート運動」の創始者でもある上原正稔さんが、米国公文書館から発掘してきた沖縄戦の記録フィルムを基に製作された映画『戦場ぬ童』(1985年製作)。

その記録映画には2人の少女が登場する。

1人は「白旗の少女」で有名な比嘉富子さん。 

もう1人が「右腕を負傷した少女」の写真。 太田昌秀著『これが沖縄戦だ』(1977年出版)では「うつろな目の少女」として紹介されている写真の少女のことだ。

 

玉那覇春子さんは、 映画『戦場ぬ童』に登場して「うつろな目の少女」は7歳当時の自分の写真であると証言した。

 

上記引用の記事では琉球新報は、「うつろな目の少女」は玉那覇春子さんである報道しておきながら、その後の2007年には、西宮に住む大城盛俊氏(75)が、写真の少女は、オカッパの少女に変装した自分だと名乗り出たとき、琉球新報はその証言がウソであることを知りながらスクープとして大々的に報道したのだ。

その時の報道がこれ。

「教科書の嘘は許さず」という大見出しで、琉球新報自身は大嘘の報道をしていたことになる。 

教科書の嘘許さず 大城さん、憤りで声震わせる

2007年8月25日琉球新報

「沖縄がいつまでもバカにされたままでいいのか。沖縄県民はもっと怒って立ち上がらなければ」と訴える大城盛俊さん=那覇市天久の琉球新報社


日本兵に暴行され、傷だらけになった大城盛俊さん(当時12歳)=1945年6月(大城さん提供)

 「うつろな目の少女」と題し、大田昌秀著「これが沖縄戦だ」(1977年出版)の表紙写真で紹介された兵庫県伊丹市の大城盛俊さん(75)=旧玉城村出身=が来県、高校歴史教科書検定で沖縄戦の「集団自決」に関する記述から日本軍の強制が修正・削除された問題で、「沖縄県民はもっと怒って立ち上がらなければ」と訴えている。24日、琉球新報社を訪れた大城さんは、史実を歪める教科書検定の動きに「教科書が嘘(うそ)をついて、その嘘を教えられた子どもたちが大きくなったらどうなるのか」と懸念し、憤りで声を震わせた。
 表紙の“少女”の正体が大城さん。当時12歳で、育ての父に「男の子は兵隊にやられるから女の子になりすましなさい」と言われ髪を伸ばした。
 大城さんは、1945年4月1日の米軍の沖縄本島上陸後に家族と玉城村のガマ(壕)に避難したときのことを鮮明に記憶している。そこには200―300人の住民がいた。5月下旬、日本兵が入り込んできて「食料をよこせ」と銃を向けた。彼らは黒砂糖が入った大城さんのリュックサックを取り上げようとした。大城さんが「取らないで」とお願いすると、「生意気なやつだ」と壕の外に引きずりだし、激しく暴行。硬い革靴でけり飛ばされた大城さんは気を失った。殴られた右目は失明した。
 数日後、大城さんは米兵に助けられた。同写真は診療所の前で撮影された。(略) (深沢友紀)

             

新聞記事といえどもしょせんは人間が書くもの。

勘違いもあれば、誤報もある。

だが琉球新報は「うつろな目の少女」が玉那覇春子さんであると知りながら、つまり大城盛俊氏のウソの報道を、確信犯的にウソと知りつつ垂れ流した。

これは琉球新報が意識せずに報道した誤報の類ではなく、「悪逆非道の日本軍」のイメージ作りを意図した極めて悪質な捏造記事である。

実は、沖縄タイムスは琉球新報の「スクープ記事」の2年前に大城盛俊氏に取材していた。

 

すこし長くなるがその時の沖縄タイムスの記事を全文引用する。

◆沖縄タイムス<2005年3月13日 朝刊26面>

[戦闘参加者とは誰か](11)
適用拡大
日本兵が暴行 右目失明
43年目に障害年金申請

 

 大城盛俊さん(72)=兵庫県=は、沖縄戦の最中、日本兵による暴行で右目を失明した。母親もまた日本兵にスパイ容疑をかけられ、惨殺されている。

 戦争当時、十二歳。玉城国民学校に通う元気な少年の人生が、そのけがで一変した。

 右目が見えないため、米軍基地のハウスボーイや、土建業のお茶くみ、穴掘りといった単純な仕事しか就くことができなかった。

 敗戦六年目の一九五一年、大阪へ働きに出た。「いつか、日本兵を見つけて、敵討ちしたい」という憎しみを抱いて旅立った。

 大城さんが去った沖縄では、五三年に援護法適用、五九年には一般住民も「戦闘参加者」として、適用拡大。遺族年金や障害年金が支払われていった。

 四五年三月。十二歳の大城さんは、玉城村に養父母と住んでいた。三月二十三日に港川沖の水平線をびっしりと米艦隊が埋めた。翌日から激しい艦砲射撃が始まり、一家は同村親慶原にあるワチバル壕へ避難した。

 昼は攻撃を避け壕で過ごし、攻撃がやんだ夜に壕を出て、畑を耕した。

 そんな状態が二カ月続いた五月下旬。首里から撤退してきた石部隊の日本兵が、壕に来て「民間人はここを立ち退くように」と命令した。大城さんらは、家財道具や食糧を抱えて、玉城城跡にある壕に移らざるを得なかった。移った先で惨劇が起きた。

 六月上旬、球部隊の日本兵六人が壕にやってきて、食べ物があるか聞いた。大城さんが「ない」と否定しても持っていたリュックサックを奪い取ろうとした。

 リュックの中には、家族のための食糧が入っていた。日本兵は、「これは渡せない」と再び拒んだ大城さんの襟首をつかみ、近くの畑に引きずっていって、投げ飛ばした。意識がもうろうとする中を無理やり立たされ、顔を殴られた。倒れこむと今度は軍靴でけり飛ばされた。

 「こんな子どもに何をするのか」。追いかけて抗議した父親にも、兵隊は暴力を振るおうとした。だが、リュックをあさっていた兵隊が食糧を見つけると、暴行を加えた兵隊は用が済んだとばかりに、立ち去って行った。

 大城さんの右目は充血し腫れあがり、右肩は脱臼。体中に傷や打撲傷を負う瀕死の重傷だった。

 その後、捕虜になり、米軍の診療所で手当てを受け、傷は癒えた。しかし、その時、既に右目の視力回復は難しいといわれた。戦後に治療を受けたが回復しなかった。

 五一年、大阪に渡り、工場勤めをした。「日本兵に殴られんかったら、目も見えて、仕事もできた」。心の中では怒りを持ち続けた。沖縄を差別する同僚を懲らしめようとしたこともあった。

 七五年に転職で沖縄に帰郷。援護法の障害年金が一般住民にも支給されることを知った。

 大城さんが援護法適用を申請したのは八八年。戦後四十三年もたっていた。

                   ◇

<2005年3月17日 朝刊26面>

[戦闘参加者とは誰か](12)
審判
日本兵暴行は「規定外」
裁判できず泣き寝入り

 

 一九七五年、大城盛俊さん(72)=兵庫県=は、新しい仕事を得て二十四年ぶりに、沖縄へ帰郷した。その時初めて、沖縄戦で「戦闘参加者」と認定されれば、一般住民にも遺族年金や障害年金が支給されることを知った。

 県が実施した援護法の巡回相談を訪れた時のこと。大城さんは担当職員に、日本兵に暴行を受け失明した状況を説明した。

 「あなたを殴った兵隊はいるのか」。担当職員は、事務的に質問をした。

 いや応なしに沖縄戦に巻き込まれて、味方の日本兵に暴行された。十二歳だった大城さんが何一つ自分で選んだことではない。なのに、それを証明するのは自己の責任でと言われる。

 あまりに理不尽な問いに、大城さんは激怒した。「戦闘中だから、その日本兵が誰かは分からない。じゃあ、艦砲射撃でけがをした人は、撃った米兵を特定しないといけないのか」

 相談に訪れていた戦争体験者のお年寄りたちも「やんどー、やんどー(そうだ、そうだ)」と加勢してくれた。

 沖縄で援護法が適用されてから、すでに三十年たっていた。「できるだけ多くの人を救う」。初期の援護担当職員によって、そうやって運用されてきた援護法は、時の流れとともに、住民の戦争体験を審判するものに変わっていた。

 それでも、大城さんは、友人らの助けを借りながら当時の証言を集め、八八年に、申立書を申請した。

 しかし、厚生省は九二年、日本兵の暴行による障害は「援護法の規定外」として、申請を却下した。

 沖縄の一般住民が、援護法の「戦闘参加者」として認定されるためには、「日本軍への協力」が前提だ。住民が、戦争で受けた被害を補償するものではなかった。

 大城さんは、支援者らとともに、三万人余の署名を集め、厚生省に援護法適用を認めるよう要請した。却下に対して不服申し立てをしたが、九四年に再び却下された。

 後は裁判しか道は残されていなかった。「何年かかるかと弁護士に聞いたら、十年から十五年という。年も取るし、費用もかかる。結局やめてしまった」。大城さんは悔しそうに振り返った。

 九一年に娘らが育った本土へ移り、現在は伊丹市に住む。「沖縄のことをみんなが考えてくれたらありがたい」。そう思い、ボランティアで沖縄戦の語り部として、講演活動で訴える。「沖縄の戦後は終わっていない。私のように、泣き寝入りをさせられている人はたくさんいるはずだ。日本の国は、沖縄への戦後補償をしていない」

 「軍への協力」が前提となる援護法では、一般住民が沖縄戦で受けた被害は救えない。

 「住民を守る軍隊が、沖縄では、沖縄人に銃を向けた。沖縄の人一人ひとりが、沖縄戦が何だったのかもっと考えてほしい」

              ★

不思議なことに、二日にわたる特集記事で、大城氏が「うつろな目の少女」が自分であるという「スクープ報道」はしていない。

さすがの沖縄タイムスも大城氏のウソをそのまま記事にするに気が引けたのだろうか。

その2年後の2007年、琉球新報は大城氏のヨタ話を嘘と知りつつ「スクープ」として大々的に報道した。

そのわけは?

(つづくー明日掲載予定)

              ★

パンドラの箱掲載阻止訴訟 
第4回口頭弁論のお知らせ

 

皆様、日頃のご支援ご協力、誠に有難う御座います。

いよいよ、沖縄の閉ざされた言論空間に亀裂が入り始めました。

本年1月にドキュメンタリー作家の上原正稔氏が琉球新報社を著作権の侵害と表現に自由の侵害を理由に提訴して以来、新聞販売店主から相つぎ「押し紙訴訟」が提訴されるようになっており、このまま「押し紙訴訟」が増えてゆけば、琉球新報社は弁護士費用で首が回らなくなるかもしれません。

同時に、沖縄タイムス社も同様の押しつけを新聞販売店にしているだけに、火の粉が飛んで来ないように、ハラハラしている状況です。

さて、そういう意味で、この第4回以降の口頭弁論がどのように進められて行くかに、世間は注目し始めております。

今回の法廷は(これまでも見所十分な内容でしたが)、被告側の主張が破綻して行くさまをご覧いただけるものと思います。お時間の許す方は是非傍聴にご参加下さい。

尚、その後の報告会も恒例通り、行いますので、こちらの会場にも参加頂けましたら、今後の展開を予測いただけるものと思います。

 

■第4回口頭弁論 

11月8日(火)午前11時開廷 (傍聴希望者は10時30分までに)那覇地裁

■同報告会

同日正午より奥武山 護国神社社務所 2階会議室

参加費   無料

お問い合わせ: 090‐9780‐7272 錦古里まで

 

 

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