仕組みとアプローチ － 本能寺の変 桶狭間の戦いとの更なる類似点

　桶狭間の戦いでは丸根砦、鷲津砦攻略等という幸先の良い状況で気を良くしていた今川義元が、塗輿の近くにいて自らの居場所を晒し、更に酒宴を始めていたと言う説もあり、それは本能寺の変前日の茶会と似ています。
　更に今川義元が肥満体型であったとされる説も有りますが、定かでは有りません。
　ただ仮に本当に肥満体型であったなら、同じ体型の影武者はそうそう用意できるものではなく、それを知っている者は大勢いたはずで、織田方に通じる者も今川義元本人を見つけやすかったと考えられます。
　そもそもこの酒宴も現地の地元民が差し入れたものも使って行われたと言う説も有り、差し入れたついでに今川義元本人がそこにいる事を織田方に密告した者が存在していた可能性が高いのではないでしょうか。
　以前にも記事にしましたが、本能寺の変では（影武者ではない）信長の実体が本能寺にいる事を多くの者が知り得た状況を信長自らが作り出してしまった、と言うのも信長が討取られた大きな原因の一つと見ています。
　これも「信長自ら」と言うべきなのか？それとも油断したらこうなったのか？と言う観点で、仕組みをもう少し考えて見ると、信長が公家衆の要請（実はワナ？）で前日の茶会を開くように誘導され、更に博多の豪商島井宗室と神屋宗湛が夜遅くまで本能寺にいる事になって宿泊するしかないと言う状況に(意図的に？偶然？）持ち込まれ、茶器の名品を本能寺に多数持ち込んだ（これも大勢の公家衆と茶人との茶会と言う事で誘導され？）事もあって、本物の信長が本能寺に宿泊するしかないのを大勢が知る状況に誘導された、と見えなくもないです。
　桶狭間の戦いでは今川義元を直接討ち取った毛利新助ではなく、居場所を信長に知らせた簗田政綱が信長から最も高い評価を得ています。
　そんな信長が何故自分の居場所を大勢が知る状況を作り出してしまったのか？と言うのは、今川義元が桶狭間の戦いで油断していたのと同じ心理だったのかも知れません。
　信長が残したとも言われる言葉、「世は自ら死を招いた」とはこの点も有るのでしょうか。