映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

ファンタジーになりきれなかった「町田くんの世界」

2019-06-08 19:36:33 | 新作映画
石井監督だし期待していた。


そう毎回傑作ばかり産出できる訳ないか。
漫画原作だから実写映像にするためにやっちゃダメな事がいくつかあると思うが、そのうちの一つにハマった気がする。ネタバレになってしまうけど、風船掴んで空を飛ぶクライマックスがお粗末すぎた。今日日CG加工でリアルな絵にする事は可能だから、わざと嘘臭く演出したんだろうと想像する。それは良い。漫画チックにした方がこの物語に合っているし、町田君という人物像にも寄り添っていると思う。でも、決定的なミスはファンタジーになっていない事だ。今ちょうど公開しているディズニーの絨毯で空飛ぶ映画にはファンタジーがあるのに、町田君と猪原さんが空を駆けるシーンには何もときめかなかった。そこが大事なところでしょうに。

主役の二人は頑張っていたけど新人らしい荒削りな清涼感を感じられなかった。フッと思い出したのが、「バタアシ金魚」の二人。あの二人にはそれがあった。懐かしい(久し振りに観てみたいけど)。
感心したのは脇を固めた若い役者が面白かった事。前田敦子、高畑充希、太賀の三人はもうどう頑張っても高校生じゃないけど、彼等が絡んでくると映画が断然面白くなる。(あっちゃんママだし)
この三人のシーンでは石井監督の乾いた笑いが堪能できた。