ゆるキャン△
作品の出来はどうであれ、冬ドラマで一番楽しみにしている。原作漫画は読んだことないけれど、アニメは毎週楽しく観ていた。「けいおん」のキャンプ版とでもいうような脱力系の女子高生等が主人公で、毎回冬のキャンプをまったりやりながらも小さな経験を積んでゆくお話だ。
一回目の放送を観て感じたのは、アニメのロケーションをかなり大切にしていることだ。山梨県身延町を中心に本栖湖などのキャンプ地がロケ地になっている。冬に向かう富士山麓の澄んだ空気が美しい。アニメの主人公は天然キャラの各務原なでしこだが、ドラマ版はソロキャンパーの志摩リンちゃんになっている。ひそかにリンちゃんのファンだったから嬉しい。演じる福原遥も温度の低い演技でリンちゃんを好演している。
コタキ兄弟と四苦八苦
とうとう野木亜紀子がテレビ東京の深夜ドラマを手掛けた。「逃げ恥」「アンナチュラル」と立て続けにドラマ史に残るような傑作を発表した後、いまひとつ納得いかない作品が続いているので、この深夜枠は力を入れず好きに書いて欲しい。演出を山下敦弘監督がやっているのも期待させてくれる。笑いのツボがお笑い芸人のような騒がしいだけのものとは違い、ジワジワ笑わせてくれるところも深夜ドラマに合っている。
一回目のゲストが「アンナチュラル」でも存在感を発揮した市川実日子で、コキタ兄弟がレンタル親父を引き継いで彼女の願いを解決する。昨年NHKで放送されたドキュメント72時間で、レンタルなんもしない人を取り上げていた。そんな仕事にかなり多くのオファーがあることに驚いたけど、たぶん野木亜紀子はその辺りからヒントを得たんじゃないだろうか。
第三話は野木亜紀子の本領発揮といったところ。レンタル親父二人と相談者、喫茶店のウエイトレスの四人が妙な絡み合いで笑わせてくれる。その笑いの中に親父二人の悲哀が垣間見える脚本はホントに素晴らしい。野木亜紀子は人を優しく描くことができる上に、笑顔の裏側に張り付いた寂しさも同時に炙り出すことができるんだな。プライムタイム放送の大作ではないけれど、佳作は佳作なりの作り方があることもこのドラマは示してくれている。演出の山下監督のゆるさも心地良い。
シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う
日テレ日曜夜10時30分スタートのこの枠もかなり挑戦的なドラマ作りをしている。今回もいきなり政治家のスキャンダルを暴くところから始まって、ゴールデンタイムでは放送し辛い内容にチャレンジしている。別に社会風刺とか問題提起なんかして欲しいわけじゃないから、気軽に楽しんである程度スカッとさせてくれればそれでいいんだけど。清野菜名は既に周知されていたけど、ネガティブな女子大生が催眠術を掛けられてミスパンダになってからのはじけるようなアクションは見ものだ。横浜流星もメンタリストの嘘くささを嘘くさくなく演じていて頼もしい。ただ物語はつまらないので、3話でリタイアするかも。三話目でリタイアしようと思っていたけど、清野菜奈演じるミスパンダの過去に興味があるのでもう少し様子見しよう。肝心のドラマ自体は大した仕掛けも無いし、退屈だ。
恋はつづくよどこまでも
上白石萌音(姉)の鹿児島から修学旅行に来たセイラー服女子高生に違和感がないことが一番の驚き。それ以外は安物少女漫画だった。お気楽に観られるラブコメを作ろうとしているのは承知しているけど、それでも物語の底辺に真摯な生き様が描かれていないとヒロインには感情移入出来ない。一話目で話を転がし過ぎて、キャラクター設定が薄っぺらになってしまっている。相手役の佐藤健も紋切り型のS系ヒーローの型に嵌められて息苦しそうだ。。
ヒロインがヒーローに会いたいが為に看護師を目指し真摯に努力する姿をもう少し尺をとって観せないと、看護師そのものをいい加減に扱っているようにしか感じられないし、やっと目的の病院勤務を得た時のトキメキに繋がらない。そのスタートのキュンとした感情がこのドラマには欠けている。2話では開き直った萌音ナースが仕事も恋も頑張る姿が地についてきて応援したくなってきたので観続けようと思う。萌音ちゃんが天真爛漫にそれでいて健気に新米ナースを演じているから応援するしかないか。佐藤健のドS医師には心臓疾患で亡くした恋人がいたというくだりで物語の流れは見えてしまったけど、少女漫画にありがちな展開だからくさしても仕方がない。楽しんで観ることにしよう。
伝説のお母さん
今回もNHK深夜枠の攻め方は半端じゃない。原作は知らないが、ロールプレイングゲームの骨格を利用して若き母親の社会とのかかわり方を面白おかしく描こうとしている。確かに待機児童問題や似非イクメンパパの怪しさには少々使い古された感がある。それでも社会そのものが女性の参画をそれ程重要に考えていないし、産後すぐの母親に対して会社も一緒に働いている人々も期待などしていない。いいとか悪いとかじゃなくて現実問題だ。
前田敦子が実際の母親であることがこのドラマのポイントだと思う。幼児を抱きかかえる姿に働く母親の現実が透けて見えてくる。上手い配役だ。
思い付きでルールを変える王様や、まるで育児に参加できない夫、魔王退治に同行する二人の同僚男性も子供を抱えて働く(闘う)お母さんの敵なのか。それどころか子を持たない女戦士二人とて見方になり得るのか。思い切りフィクションの世界で辛辣な現実を面白く描いてくれそうで期待が持てる。
スカーレット
恐れていた通りやっぱり物語は停滞している。陶芸の世界って基本的にはチームプレイじゃないんだろうから、そうそう大人数の人を絡め辛いのだろうとその苦労はわかるけれども。陶芸窯は全部木材を燃やして火力を得るのだと思ってたらそうでもないことを知った。(だからどうと言うこともないけど)
親友の大島優子が登場すると話が弾んで面白くなることに気が付いた。もっと登場させてもいいと思う。妹百合子の結婚までのいきさつも面白そうなのに、こちらも途切れ途切れの内に何となく纏まってしまった。なので辛気臭い流れのままだ。
親友の大島優子が登場すると話が弾んで面白くなることに気が付いた。もっと登場させてもいいと思う。妹百合子の結婚までのいきさつも面白そうなのに、こちらも途切れ途切れの内に何となく纏まってしまった。なので辛気臭い流れのままだ。