映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

TENET 難しく考えれば難しい そうなんだけど

2020-10-14 18:15:00 | 新作映画

確かに分かり辛い。部分部分で観ちゃうと???の連続だ。
それでもあんまり細部にこだわらず、最後まで観通せば何となく納得しちゃうお話だった。
起承転結の無い難解な’70年代のヨーロッパ映画を沢山観てきたわたくしにとって、細部の疑問点なぞ大した問題ではなく、TENETのシンプルな作りは特定の宗教観や人種・風俗・歴史・環境などのナショナリズム描写がないだけに感覚としては分かりやすかった。

どーしてあのお金持ちのオジサンは悪い事しようとしているのか、それがオジサンにとってどんな利があるんだろうとか、相棒の戦士は何で主人公の相棒になったんだろうとか、分からないことだらけなんだけどその疑問が解けたところでこの作品が深くなるかな?悪いオジサンの奥さんでっかいなぁー。あんなにでっかいと並んで歩くのも大変そうだな。とか、そっちの方に気がとられちゃったまま2時間半が経っちゃった。

作品規模は雲泥の差があるので叱られちゃうかもしれないけど、並行世界における時間の逆行をテーマにした作品ならこの前観た小松菜奈ちゃん主演「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の方が分かりやすくて感動的だった。(あぁ、ノーラン教の人に怒られるぅ)

「インターステラー」「ダンケルク」と続けてわたくし好みの作品を連打してくれたので、やっぱり期待し過ぎたのかもだけど、今回の作品はそれほど感心できなかった。ノーラン監督作品じゃなきゃ絶対観なかったしな。どうせなら兵隊が後ろ向きに走るようなへんてこな戦闘シーンじゃなくて、もし第三次世界大戦が起こったならこんな戦争になっちゃうという迫力ある場面満載の映画が観たかった。

世は歌につれ

2020-10-14 18:04:00 | 歳時記雑感

ネットニュースなんかでは、昭和歌謡の巨匠とか矮小で誤った紹介のされ方しているけど、筒美京平の偉大さはもうあの時代を一緒に生きてきた人にしか分からないのかもしれないな。残念なことだけど。

昭和の時代流行歌とは老若男女問わず誰しもが口ずさめる歌であったし、いつまでも記憶に残り消費されるものではなかった。そのこと自体は社会環境が違うので良し悪しを語るものではないし、往々にしてノスタルジックな感傷もある。

それまで日本の歌謡曲(J-POP)は伝統的な演歌かジャズベースの楽曲がほとんどだったけど、筒美京平がアイドルたちに提供した曲はどれもがアメリカサウンドを微妙に取り入れた新しい歌謡曲だった。今K-POPと言われる韓国のポップスがやっていることを40年前に筒美京平はやっていたことになる。

ここにいちいち作品をあげないけど、これもあれもそれもそうだったのか!と驚くことばかりだ。
筒美京平の作る音と共に大人になった我々世代、その世代が作った音を聞いて育った現在の才能によって今後も、日本の歌謡曲(J-POP)は連綿とつながってゆく。

わたくしの青春時代を彩ってくれた筒美京平氏に
謹んで哀悼の意を





筒美京平が一番愛していたかも知れない太田裕美の傑作を歌う