まず最初に感じたのは、この映画もベトナム戦争の後遺症がなければ生まれなかったんだと強く感じるシーンがいくつもあること。ある年代のアメリカ人にとっては80歳以上の日本人が太平洋戦争に抱くジレンマと同じ感覚を持っているのかもしれない
今日、十数年ぶりに出会ったナビィの一族の物語を観てそう思った
デビュー作フライングキラーもアビスも駄作だったけど海の話だったし、大ヒット作タイタニックは舞台そのものが海の上だった。知らなかったけど、ドキュメンタリーとかも海中物を作っているみたいだし、プライベートでもかなり入れ込んでいるらしい。日本人にはちょっと不快な鯨捕りのエピソード(銛に日捕って書いてあった)にもかなり拘っていた
話逸れるけど、あんた達(欧米人)の祖先だって散々クジラ獲って殺してたんだよ!と言いたいけど、日本もさ、捕鯨で生活成り立たせていた人が沢山いた頃はしょーがないとしても、今そんな人いる?鯨の竜田揚げ食べないとご飯が進まない日本人いますか?って事。もう調査捕鯨も辞める頃合いだよね。スタジアムの掃除以上に世界的に称賛されるよきっと(誉めるの拘っている欧米人だけだろうけどさ)
192分の上映時間に先ずは驚いた
興行だけで考えたら無謀。90分の作品なら同じ時間で2倍の売上になるもの
今時娯楽作品で三時間越えの映画ってそうは無いでしょ。観る方も前日から体調整えて、水分も控えめにしないとさ
退屈な作品なら拷問に近いお仕置きだろうけど、そこは手練手管のキャメロン監督
宣伝されている通り、臨場感ある映像体験で飽きさせないまま突っ走った
海中も深海ではなくて浅海だから明るく煌びやかな映像が主体で、なんだか水族館の大展示場を覗き込んでいるみたい。生き物たちもユニークでありながら可愛げがあり、プレシオサウルスの子供みたいな相棒には乗ってみたいと思ったよ
アクションシーンも遊園地感盛りだくさんで、分かっちゃいるけど首筋が突っぱねる程に興奮させてくれる
これでシニア料金(イオンシネマだと1,100円)ならどんな娯楽より格安で非日常体験ができちゃう。ありがと
前述したように、映像体験としては超弩級の大傑作であることに異をとなえる輩はいないだろう。もっと凄いもの作れる才能を持った天才が現れるまで、この映像は頂にある教科書としてあり続けるだろう
が、映画として頂に君臨できるかと言えば否定的な意見を述べざるを得ない
シリーズだから復習してから観に来いよと言うのも尤もかもしれないが、十数年ぶりに続編と言われても覚えてないし。序盤、敵の設定に全くついて行けなかった。ここはもう少し前日譚を丁寧に語って欲しかったな
家族の物語なのに、肝心の敵(大佐)と記憶の中で息子としてパンドラで成長した男の子の関連性がまるで思い出せずフラストレーションだった
長尺を海中シーンに費やしたかった監督の気持ちは察するけど、映画として観たいのは人と人の繋がりから生まれる感情なんだ
技術の進んだ3Dは以前のようなこけおどし的な絵作りは無くなって、よりリアルになった。ただし、前作の空が舞台の時に感じた高低差を見せてくれた驚きのようなものが水中では作り出せていない。だから、出来るだけ大画面でそれも可能な限り前列で観るべきだと思うけれど、そんなに3Dにこだわる必要ないんじゃないかとも思った
あと3話それも二年おきに作成するらしいから、くたばるまでに見届けられるかな?
大学生の頃、平塚の映画館でホラー作品と併映されてた処女作からの付き合いだから、キャメロン監督作品は全部大画面の映画館で観ますね