映画と渓流釣り

物忘れしないための処方箋

半分、青い 恋愛編

2018-06-11 04:37:25 | 旧作映画、TVドラマ
北川悦吏子が描く鈴愛を中心とした「半分、青い」が面白い。
今、毎週土曜日CSで再放送されている「あまちゃん」と、新旧ふたつのNHK朝ドラがテレビを観る楽しみだ。幼少期から高校卒業までの岐阜編もスピード感あって楽しかったが、漫画家を目指して上京してからの東京編は、北川悦吏子ならではのドラマになっていて往年のドラマファンにはたまらない。

宮藤官九郎らしさが前面にだされた「あまちゃん」は、バカバカしいほどの濃い人間関係を笑いの中で見せてくれたから、地方の抱える過疎や少子化問題挙句の果ては震災の憂さをもパワーに変えてくれた。東京にいてもいつも空気は北三陸だったし、キョンキョンや薬師丸ひろ子といった今でこそ大物女優だがその昔はキャピキャピのアイドルを遺憾なく暴れまわらせた。クドカンじゃなきゃ成り立たないドラマだったのだ。


それでは、北川ドラマの真髄とは何か。
ズバリ、瑞々しい恋愛シーンだろう。
東京編は鈴愛と正人君、律と清がそれぞれの恋愛を謳歌し思い悩み泣きじゃくる。

「鈴愛ちゃんは金魚みたいだ」「捕まえようとするとするりと逃げる」
「すくってください」

正人君とは結局進展できなかったが、それは律との絆の深さを見せるための要素でしかなかった様だ。ずるい脚本に気づいた頃には、鈴愛にはやっぱり一緒に七夕に生まれた律しかいないのかと惑わされる。薬指のマニュキアとか絆創膏とかは男には絶対書けない。清がヒールになってしまったが、彼女はごく普通の女の子だと思う。自分の彼氏を笛吹いて呼び出す幼馴染は敬遠したいし、天然であるからこそ距離感を測れない鈴愛の様な女には警戒してしまうだろう。
清も鈴愛も一生懸命で可愛いから、どちらも応援したい。う~ん、悩ましい。








梅雨の晴れ間に

2018-06-10 14:51:58 | 釣り




土曜日、陽射しが痛い。
城南橋から柄杓流川合流までを釣り上がる。
先週放流されているはずなのに、全くその気配はない。
10cmにも満たない様な虹鱒や山女魚の幼魚が釣れるのはどうしてか。
渓相はそれ程変わっていないから、魚は戻ってくると思いたい。




昼までで一旦竿を仕舞いうどんを食べる。
午後は都留漁協最下流の蒟蒻淵上流から8.5m竿でそこそこ楽しい時間を過ごせた。
虹鱒が大半だけど、長竿をしならせてくれる快感はやっぱり気持ちいい。
田野倉にある冠婚葬祭場の直下ではまた工事。土建王国山梨。



夜は新しくできた道の駅で休む。
7時過ぎには車のフルフラットシートで熟睡する。
寒さは感じない季節になった。
朝、霧雨。風も少し強くて肌寒い。
道の駅の駐車場にはここで寝泊まりする車が適度な間隔で並んでいる。
慣れた人が多いのか、静かだし気になる事もない。
大型キャンピングカーの年配ご夫婦にあやかりたいものだ。




日曜日、4時に目を覚まし支度して昨日の続き(冠婚葬祭場下)から竿を出そうとしたら、既に先客が数人竿を出している。こんな天気なのに随分と早い。
仕方なので終着予定の道の駅に渡る橋の下から釣り下がろうとしたが、ここにも3人の先客。川割りすれば良いと話しかけると、鮎の解禁日との事。納得。
式場まで下りながら、そこそこの大物に遊んでもらう。
虹鱒と山女魚のハイブリッドらしい放流物は尺をかなり超えた魚だった。





自分の時間

2018-06-08 21:21:27 | お遊び
今年も梅雨の季節になりました。
アウトドアで活動するには面倒な季節ではありますが、生き物たちにとって掛替えの無い恵みの時です。







昨今の働き方改革のあおりを受けて、年次有給休暇取得の大号令がわたくしの会社でも叫ばれてます。
大昔、わたくしが社会人になったばかりの頃には有休どころか、週休二日でさえあり得ない状況でした。
体調崩すか冠婚葬祭の理由でもなければお休みするのは罪悪感が伴いました。

明日から平日の5日間をお休みにして、連続9日間自分だけの時間を過ごします。
去年までは末っ子のたっくんが遊んでくれたので、たっくんの夏休みに合わせてお休みしていました。
今年は中学生になり部活動を始めたから遊んでくれそうに無いので、ひとり遊びをしなければなりません。

さて、何しましょう?
土曜日は桂川に山女魚釣りに行きましょう
日曜日は天気次第ですが、テント泊した後に午前中は竿振りますか
月曜日、天気悪そうなので朝風呂(近所の日帰り温泉)でまったり
火曜日、映画でも観ましょうか(何観ようか悩みます)
水曜日も水位次第ですが、久しぶりに秋山川にでも行ってみましょう
木曜日、TOHOシネマズの日なので映画観ましょう(何観ようか悩みます)
金曜日は水族館に行ってみようかな(江ノ島水族館あたりに)
土曜日がまた来ました。ガッツリ料理しようかな(何食べたいですか?)
日曜日、明日からまたくすんだ日常がやってきます。心静かに過ごします




慚愧

2018-06-08 21:18:54 | 歳時記雑感


まだわたくし達はあどけない幼子を見殺しにするのですか?

親とか行政とかの罪を問う事より、やれることがあるのかも知れません。

もう目を背けている場合ではないのです。

でも、何から変われば良いのか・・・

慚愧 もうあの子は二度と笑顔を見せてはくれません。






優しく、でも冷淡に 万引き家族が居る日本

2018-06-03 04:36:12 | 新作映画



パルムドールをとることがこんなに興行面でのプラスになるんだと、まざまざ感じ入る先行ロードショーに出掛けました。受賞が無ければひっそりと公開されてそこそこ評判になるだろうけど、それはわたくしみたいな是枝好きか映画通だけの閉じられた人達の中だけで消化される作品で終わってしまったかもしれません。
過去作と比べても、際立って優れているわけじゃありませんせし、「そして父になる」や「海街diary 」の様な華やかな役者が出ているわけでもありません。だけど権威に弱い日本人にとって、世界的な評価を下された是枝最新作は取り敢えず映画館に足を運ぶ良いきっかけとなりました。

前述したように、今までの是枝作品のベストではありませんね。
黒澤や今村作品のベスト作品が受賞してたわけではないので、カンヌで与えられる一等賞はそれまでの積み重ねたご褒美的なものが多分に含まれているのでしょう。ベストではないけど、監督がずっと撮り続けていた家族(血縁の有無は関係無く)の物語を選んでもらえたのは嬉しい限りです。「誰も知らない」「歩いても歩いても」の延長上にこの栄冠はあるのだと思うと、ずっと是枝作品を観てきて良かったな。

さてさて、わたくし達のまわりにあんな家族はいませんか?
万引きで生計をたてている程の極端な事はないにせよ、日雇に行くことをどうにかしてサボりたいお父さん(わたくしも毎朝会社に行かなくて良い夢想を繰り返してます)。狭い家なのに意味もなく雑然とした雰囲気はお母さんの性格そのままでしょうか。テレビのホームドラマに出てくる家庭は大体スッキリ片付いていますから勘違いしてしまいますけど、人が生活すること特に年代性別様々な6人が生きていればあんな風になっていくのが必然なのかも知れません。人の良さそうなおばあちゃんだって、狡猾に生きて行く術を会得してますし、マジックミラー越しなら自分の身体を商品にすることは売春でも風俗嬢でもないんでしょう。

再三になりますが、2人の子供が抜群でした。
特にお兄ちゃんの淡々とした哀しみは柳楽優弥の眼差しを思い起こさせ、大人である自分が恥ずかしくなります。戸籍を持たず今日の日本で生きている子供達がそれ相当な数だと聞いたことがあります。松戸のスーパーにある駐車場から連れてきたと聞かされたお兄ちゃんは、これから本当の父母を探すのでしょうか。虐待を受けていた家庭に連れ戻された妹はまた生傷の絶えない地獄を彷徨うのですか。
本当の兄妹の様に蝉の羽化を応援する姿が、知らないふりをして日々を過ごすわたくしを冷淡に責めたてます。