むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

零式艦上戦闘機(吉村昭)新潮文庫

2011年03月02日 | 読書

零式艦上戦闘機、零戦、ゼロ戦。

日本が誇る名戦闘機で、これに関する書物は星の数ほどあり、多少なりとも興味がある人なら、知り尽くしているくらい知っている戦闘機である。

知識としては、新しく仕入れられることは期待できず、わざわざ300ページもある本書を読む意味はなさそうだと思って、1ページ目を読んだら、引き込まれてしまった。いきなり、工場から牛車が出発。荷物はもちろん零戦。

なんと、太平洋戦争時の日本は、工場から牛車によって、未舗装の軒の連なる狭い道を、何十時間もかけて遠く離れた飛行場まで、軍用機を輸送していた事実が書かれている。

世界トップクラスの航空技術を持っていても、インフラは3流国だったのだ。

そんな足枷の中で、零戦は、奇跡的な高性能を発揮して終戦まで戦い抜いた。

太平洋戦争の歴史は、零戦によって語ってもかなりの範囲をカバーできることに今さら驚いた。

コメント (2)
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