下巻は、第三章『白秋』昭和二十二年~昭和二十八年と、第四章『玄冬』昭和二十八年~昭和四十九年が収録されています。
第三章でイランの石油をめぐるイギリス帝国主義との戦いを描き、第四章ではイランの石油を巡ったメジャーとの闘い~オイルショックとつづきます。
まさに昭和の歴史そのものに生きた人生だったでしょう。
こうして振り返ってみると昭和は石油の時代だったと思えるし、アジア独立の時代だったとも言えます。
子供のころ、社会科の授業で先進国の中で、特に日本の石油がイランからの輸入割合が多いので、なぜあんなに不安定な国から日本だけこんなにたくさん石油を輸入しているのか不思議に思っていましたが謎が解けました。
史実を元に書かれていますが、やや芝居がかった演出が多くて、疑い深い私などは素直に入っていけない部分もあります。
作者の主張も鼻につき、そんなに力まなくても伝わるのにと思う記述もあります。
しかし、このくらい自己主張してくれると読みやすいのも確かです。
日本人の困難に立ち向かう姿勢は今も変わりませんし、それは昔から変わらないのだなと思います。
終戦直後に比べれば、平成の大不況も天国みたいなものです。
これから超高齢化社会を迎えますが、それも乗り切っていけると確信できます。