フランスの詩人で小説家であるユゴーが、死刑廃止を訥々と語る本。
前半は、死刑囚の最後の1日を一人称視点で追う小説となっており、後半がユゴーが死刑制度に反対する理由が訥々と述べられています。
死刑の残虐さと、残された死刑囚の家族の悲哀が強く打ち出されていて、死刑執行人がいなくなる社会の到来を望んでいました。
初出が1829年で、フランスで死刑が廃止されたのが1981年であり、150年も前に、1冊の本として、訴える勇気は特筆すべきものでありますし、それが出版され受け入れられる社会が存在したことは驚くべきことです。
しかし、この本の効果は限定的で、ここに書かれていることだけでは、死刑制度廃止には不十分であったことの証明でもあります。
日本では、いまだ死刑制度がありますが、死刑を命じたり執行したりする者の負担を考えると、他に良い方法は無いものかと考えたりしてしまいます。
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