ハローワークの新米嘱託職員が主人公。
ハローワークで職探しをしていてスカウトされた期待の新人です。
妙な明るさの中に、恐怖を隠し持っている人たちでにぎわう雰囲気がよく書けています。
職がなくても食べることくらいはできる社会の明るさと、評価され否定されることを恐れる心が流れています。
その中で、効率的に就職させていくのが職員の仕事です。
しかし、なかなかうまくいかないもので、失敗することが多い仕事です。
なにせ、10三振しても、1本ヒットを打てばそれでお仕事完了になるのですから。
打率1割未満の人たちがもう一つの主人公になります。
最後に、意識高すぎ系の怖さが描かれていて、怖いことを怖いと感じ、辛いことを辛いと感じることも大切なのだと思えました。
それでも、読むとハロワに行きたくなる明るさが全編に流れているので軽い気持ちで読めるところがお勧めです。