帰国を嘆願する願書を出しても、ロシアの国策の関係で、許されない日々がつづきます。
ついに光太夫は、皇帝に直談判するためにモスクワを越え、ペテルブルグまで旅をして女帝エカテリナに謁見することに成功しました。
そこから、シベリアを引き返し、オホーツクから蝦夷(北海道)へ渡る当時としては気の遠くなるような旅をします。
蝦夷の土を踏むことが出来たのは、17人の船乗りのうち、光太夫、磯吉、小市の3人でした。しかし、小市が病に倒れ北海道の土になります。
鎖国制度の中で、複雑な情勢に翻弄されながら、故郷の土を踏むことになるのです。
ロシア人との比較により、わたしたちが忘れてしまっている日本人の日本人らしさを思い出させてくれます。