むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

赤とんぼ 多い? 少ない?

2021年11月25日 | 小さな自然
「今年は赤とんぼが少ないね」とか「赤とんぼが多いね」とか、よく聞きます。
 確かに年によって赤とんぼの数が多かったり少なかったりしますね。
 わたしは、赤とんぼの数にはある時期の降水量が関係していると考えています。
 赤とんぼ(アキアカネ)の多くは、田んぼで生まれます。
 春に田んぼで卵から孵りヤゴとなり、梅雨時に羽化しトンボとなり、暑さを避けて山へ移動します。
 10月頃に里の田んぼに帰り、田んぼの水たまりに卵を産みます。

 ポイントとなる時期は6月中旬と10月です。
 このころの里の降水量が少ないと赤とんぼの数が減ると考えられます。

 1)6月中旬の降水量との関係
 わたしが住んでいる地域では、6月上旬から田んぼの水を落とす中干しに入ります。
 稲の根を丈夫にするため、原則として6月末まで水を入れません。
 梅雨入りは6月10日くらいですが、6月中は空梅雨で雨があまり降らない年があります。
 そして、赤とんぼが羽化するのは6月下旬頃。
 雨が降らないと田んぼが乾燥してヤゴが羽化するまで育つことができません。
 このため、赤とんぼの数が減ることが予想できます。

 2)10月の降水量
 赤とんぼは10月に田んぼの水たまりに卵を産みます。
 9月に稲を刈りますが、刈り取りの10日前くらいに水を落として、田んぼをよく乾かします。
 田んぼがぬかるむと、コンバインで収穫するときまっすぐに走らず難儀するからです。
 刈り取ったあとは、春に肥料を撒くまでは、そのまま乾かしたままにしておきます。
 (水も水利権の関係でお金がかかるのです)
 10月の降水量が少ないと田んぼに水たまりが出来ず、赤とんぼが卵を産むことができません。
 赤とんぼの数が減ると考えられます。

 そのほか、山にいるときの天候なども関係してくると思います。
 また、土水路の多い水田地帯には、いつもたくさんいるように感じます。それは土水路でヤゴが生活できるからだと思います。

 人間の営みと深く関わっている身近な昆虫なので、気になる人も多いのでしょうね。

コメント
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