作者さんは芥川賞受賞作家ですが、途中まで気がつかずに読んでいました。受賞作である『8月の路上に捨てる』も読んだことがあるのにです。
この作品は文学作品よりラノベに近いノリだったので、気がつきませんでしたが、凝った比喩などがおもしろいなと思って読んでましたので、文章はうまいのでしょうね。
共感覚をモチーフに恋愛ファンタジーミステリーと言ったところでしょうか。
匂いを形としてみることができる共感覚を持つ主人公が女友達の事故死の真相を追っていくストーリーとなります。
あまり緊迫感がなく、どちらかと言えば雰囲気を楽しむ小説でしょう。
『8月の路上に捨てる』もそうでしたが、なんとなくいい雰囲気の風景を文章で描くことができる作家さんです。
好きな人は好きになるタイプだと思います。