失敗から学ぶことも大きいが、失敗を前提にしたり、失敗を数多くすることでクオリティを上昇させることの大切さが学べる本。
生物の進化も、突然変異の数多くの失敗を経て行われてきたことから、物事を進化させるにはたくさんの失敗が欠かせないのです。
例えば、コーティングノズルが詰まりやすいので改良をする場合、機械工学の専門家が数学を駆使して設計を検討するより、生物学者がいろいろな形のものを試しながら試行錯誤して完成させた方が早いという事例などが説得力がありました。失敗をしないように考えるのではなく、たくさんの失敗作を作ることによって完成品に近付いていくのです。
また、失敗した人を責めるのではなく、失敗の原因を徹底的に知らべ上げ小さな改良でまったく事故が起こらなくなった飛行機の事例などでもうなずけました。
アクセルとブレーキを踏み間違えたことを責めても事故は減りません。どうして踏み間違えたのか徹底的に検証し、システムを改善すればそういう事故はなくなるはずです。(そういえば、誰かが、シートベルトをしないとエンジンがかからないようにすればいいだけの話だが、車業界の怠慢でそういう設計のものがないと言ってました)
この他にも多くの学びがある本です。
前に紹介した『失敗の本質』より数段実用的でした。