今更ながら、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの本を読んでみました。
カズオ・イシグロは、イギリス国籍を持つ日系人で、日本語を話せないそうです。
しかし、この小説の登場人物は日本人で、日本の名前を持っています。漢字の名前になっていて訳者のこだわりが伝わってきますし、自然で読み易い名訳だと思いました。
物語は、イギリスに住む主人公が、日本の長崎で暮らしていたときのことを回想することで進んでいきます。長崎が原爆の被害から復興していく昭和20年代であり、時代が大きく移り変わっていく中で揺れ動く人々の心を描いていました。
不幸なことも起こるけど、そればかりではない。
モーパッサンの『女の一生』を思い出しました。