少し前、マンディアルグを読みたくなったと言いながら、ヤーンの浮気をしてしまいました。
それで、マンディアルグです。
この作家は、わたしにとって、蒸し暑さと磯臭さとともに背徳感を抱きながら読むと幻想世界に引きずり込まれる快感を与えてくれる人となっています。
やはり、期待にたがわず、肌にまとわりつくようなじめじめした不快感を感じることができました。
不快感と言っても、それが快感なのだからおもしろいのです。
6編の短編が収録されていて、恐怖感や嫌悪感に突き動かされながら、夢の終焉へ向かう主人公たちのサドマゾな快感が、蒸し暑い梅雨空の下に似合う本となっています。
文章が回りくどく、読みにくく感じる読者もいると思いますので、それも含めて不快感を楽しめる人向けとなります。