牧野富太郎の歯に衣を着せぬ意外な人柄が偲ばれるエッセイ集。
古典や植物のマニアックな知識を知らずに使っている単語を責めてくるのです。
アジサイと紫陽花は違うよ。
モミジと楓は違うって。
馬鈴薯とジャガイモが同じだって?
牧野富太郎が言うには、中国の紫陽花と、日本のアジサイは、全く違う植物なので、アジサイと紫陽花と書くのは間違いとのこと。
他の植物にも、これと同じような論調で、古典や学名などをあげながら説明してくれます。
しかし、現代人は、牧野博士の言うことを未だ聞かず、間違いを正すことをしていないのが現状です。
まあ、それでも、まったく構わないし、間違っていようが、場合によっては漢字で書いた方が雰囲気が出てよい場合も多々あるからでしょう。
学術的には間違っていても、言葉の変遷には敵わないということです。
博士の豊富な知識があふれ出ている書物となりますが、一般人にはどうでもよい知識ばかりなところが、返ってエッセイとして面白く読めるのかもしれません。
内容は、植物学+古典+中国語+ラテン語(学名)なので、植物学の部分以外は、すっ飛ばして読みました。そういう読み方ができる人向けの本になります。