むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『長英逃亡(上)』吉村昭(新潮文庫)

2019年03月15日 | 読書

上下巻の上だけしか読んでいないので半ばまでしか読んでいませんが、いままで読んだ吉村昭の作品の中でも一番おもしろいかも。

現代の人間や社会が失ってしまったものを作品全体から多く感じることができました。

一つは、学問に対しての尊敬の念。一つは、法を越えた正義のために命を懸けて献身する人達が多くいたこと。一つは、地域の人々が目となり防犯カメラより強力な犯罪抑止力があった社会です。

幕末、開国を説いた書『ゆめものがたり』を著したため、幕府批判の廉で「蛮社の獄」によって終身刑を受けた高野長英のお話です。

長英は、蘭学に秀で、オランダ語、医学、西洋の兵法などに豊富な知識を持った医者でした。

自分より劣った知識しか持たない者が金を儲けることをよく思わず蔑むような言動をする長英には敵も多かったのですが、入牢してからはそのようなことは無くなったようです。

博識と医療の技術を発揮して、囚人の中で牢名主(牢の中で一番えらい囚人)になった長英は、牢役人(囚人の中で牢名主の次に偉い地位の者)に一般囚人への虐待を禁じ、病人の手当をしたり、薬を買い与えたりするようになりました。

囚人たちの尊敬を勝ち得、心酔する者も多かったようです。

しかし、やがては牢の中で死ぬしかない将来を嘆き、ひそかに脱獄を企てます。

牢に出入りしていた人のよい男をそそのかし、牢に火を放ち、牢切り(囚人を解き放ち、3日後までにもどらないと死罪とする制度)に乗じ脱獄したのでした。

幕府は威信をかけた追跡を開始します。

しかし、長英を慕う元囚人の人々や、長英を尊敬する医師や蘭学者、学問を尊ぶ者たちの力で、匿われながら関所を破り日本中を逃亡していきます。

それらの人々は、ばれれば、重罪で極刑が待ってるリスクを負い、手間や費用などのコストも膨大なはずなのですが、長英を匿い逃がすことに尽力します。

幕府の防犯装置は、関所周辺の村人たちの目であり、不審者を見つけたものはすぐに報告するシステムがありました。

住民全体が監視カメラであり、顔見知りであり、絵と文章で詳細に綴られた人相書きがばらまかれていましたので、昼に道を歩くこともできない状態だったのです。

入牢から脱獄、江戸の小伝馬から上州、越後へ入り、奥州へ向かうまでが上巻です。

この先、故郷の水沢へ長英は向かっていきます。

さっそく下巻を読みます。

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ウスタビガの繭

2019年03月14日 | 小さな自然

鮮やかな緑色の繭です。

冬枯れの山の中では鮮やかで目立ちます。

しかし、心配ご無用。

秋に羽化して、繭の中にはもういません。

しかし、そのまま冬を越すとは頑丈さには驚かされます。

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マンサク満開

2019年03月13日 | 小さな自然

多宝山のマンサクが満開でした。

一番密度が濃く咲いていた木です。

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ドングリ芽吹く~大木の誕生~

2019年03月12日 | 小さな自然

ドングリが芽吹いています。

ドングリの頂部から根が出て土に潜っていき、ドングリの部分はそのまま子葉になるようですね。

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早春のキノコ~シロキツネノサカズキモドキ~

2019年03月11日 | 小さな自然

奇妙で美しいキノコは、早春に生えると言えわれる白狐盃モドキです。

後で調べて、指でツンツンすると胞子を噴出する性質があるようです。

次に見つけたら、ツンツンしてみます。

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キクザキイチゲ開花

2019年03月10日 | 小さな自然

昨日、多宝山へ行ったとき、一輪だけ開いていました。

他はまだ、開きかけです。

石瀬からの杉林内には、紫系の花が多いようでした。

開きかけも赤みが差していて可憐です。

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多宝山(石瀬コース)早春

2019年03月09日 | アウトドア

普通の年ならまだ雪が残ってるでしょうから登らないのですが、暖冬の今年は違います。

降水確率0%の穏やかな休日に登らないではいられませんでした。

オウレンの花がたくさん咲いていて標高600mくらいまで咲き誇っていました。

頂上間近では道に雪が残っていて滑らないように慎重に登りました。

石や岩も凍り付いていました。

頂上付近より飯豊連峰がくっきり見えます。

信濃川。

佐渡島の冠雪も望めました。

マンサク、コシノカンアオイ、ナニワズも開花しています。

キクザキイチゲも開花が始まりました。

 

コメント (2)
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イバラに産み付けられたカマキリの卵

2019年03月09日 | 小さな自然

イバラの枝に産み付けられています。

こうすれば、バラのとげに守られるので、ただ産み付けられるより安全でしょう。

周りを見ると、けっこうイバラの枝にありました。

偶然か、または狙ってやっているのか謎です。

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カンアオイ三兄弟

2019年03月08日 | 小さな自然

コシノカンアオイが3つ咲いていました。

葉っぱは1枚しかありません。

普通は、何枚か葉があって、一つの花が咲いている程度なのですが、これは逆です。

珍しいと思って撮りましたが、どうなのでしょう。

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カンアオイのつぼみ

2019年03月07日 | 小さな自然

新潟に自生するコシノカンアオイは大型だが、とても目立たない花です。

蕾はこんな感じです。

開くとこんなかんじになります。

たくさん、咲いているのですが、意識して探さないと、見つけられません。

コメント (3)
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