少し大きな学校には、音楽室が2つあって、新しい設備が充実している音楽室と、古く設備も今一な第二音楽室があったりします。
優先的に使われるのは新しい方で、少子化で児童数が少なくなると使われることが少なくなるのが第二音楽室だったりするのでしょう。
この本では、学校教育の一環として行なわれる音楽のイベントの中で、半強制的に練習をさせられる児童・生徒たちが、その中で成長していくお話が書かれていました。
一生懸命やったとしても、人生のほんの一時だけの音楽。第二音楽室で受ける授業のようなものです。
それでも、それなりに葛藤があり、感動があり、成長するのが子供たちです。
そんなところを切り取った4編の掌編が載っていました。
自分は、音楽とは疎遠な家庭(オーディオ機器がない)で育ったので、こういう場所では落ちこぼれの位置にいましたが、それでもそれなりに感動したときがありましたので、もう少し一生懸命やれば、もっと得るものがあったのにと後悔しています。
本筋とは関係ないかもしれませんが、本書の4割のページ数を費やして書かれている掌編「裸樹」は、女子のめんどくさい人間関係が生々しく書かれていて勉強になりました(笑)。少しひねった落としどころが子供らしくてよかったと思いました。さすが、佐藤多佳子さんです。
『銃・病原菌・鉄』の著者として有名なジャレド・ダイアモンドの著作です。『銃・病原菌・鉄』が面白かったので読んでみましたが、期待外れでした。
人間と動物(鳥類含む)を比べ、人間の生殖の特徴が少数派である点をいくつも上げて、自然界の淘汰圧がどのように働いたのか考察していきます。
考察自体は深く、慎重で、簡単に結論を出さずにかんがえぬいていくところは、さすがダイアモンドと唸らせられました。
しかし、結論が、やっぱり奇妙で、やっぱり解らない、では読者(わたし自身)は納得できなかったのでした。
題名に騙された感が強いです。「性の進化の神秘」とかにすれば、納得できたような気がします。
だって、なぜ進化したのか、わからないのだもの。